仕切りを活用したオフィス事例総合9選!仕切りを取り入れる効果とは

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. オフィスに仕切りは必要?
  2. 論文・調査によって証明されたオフィス内での仕切りなしの影響3つ
  3. オフィスに仕切りを取り入れる効果4つ
  4. オフィスに仕切りを入れる方法7つ
  5. 【方法別】仕切りを活用したオフィス事例総合9選
  6. 造作壁と施工型パーテーションで仕切りを作るときの注意点
  7. オフィスに仕切りを入れて快適なオフィス空間にしよう

オフィスに仕切りは必要?

日本のオフィスレイアウトは、他者とコミュニケーションが取りやすいよう、1つの部屋でデスクを向かい合わせに並べる「島型」レイアウトがよく見られます。


こちらのレイアウトは、仕切りがないオープンなオフィスレイアウトです。日本は島国であり大多数が同種の民族性を持っています。日本人は統一性を好み、集団行動を重んじる傾向にあります。


一方欧米等の海外でのオフィスレイアウトは、個人が業務に集中できるようにオフィス内に仕切りを活用しています。個人のワーキングスペースや会議スペースをパーテーション等で仕切り、視線や雑音が気にならないようにレイアウトし集中できるように工夫しています。


近年、日本では一般的なオープンレイアウトは、業務効率の面から見直しが進んでいます。「働き方改革」の推進にともない、効率を重視し、仕切りを活用した欧米のオフィスレイアウトを取り入れる国内企業も増えてきています。

論文・調査によって証明されたオフィス内での仕切りなしの影響3つ

日本では、オフィス内で仕切りをしないオープンオフィスのレイアウトが一般的であり、近年は「働き方改革」により見直されてきていることを紹介しました。


本項目では、仕切りをしないオープンオフィスによる社内の影響について、実際に発表された論文・調査の3つから紹介します。

仕切りなしの影響1:コミュニケーションが形成されにくくなる

イギリスで発表されたオープンオフィスに関する研究論文によると、仕切りがないオフィスではコミュニケーションが形成されにくくなり約70%の生産性の低下がみられると結果が出ています。


壁・仕切り等の空間的境界が取り除かれると、個人はより物理的には近接していると感じるようですが、心理的には、空間的境界を取り除くと、コミュニケーションと集団的知性が低下する可能性があると一部の組織学者、特に社会心理学者や環境心理学者は、意見を述べています。


仕切りを活用し、空間領域を分けることにより、ゾーニングがされ、場所・グループ・個人が探し出しやすくなり、作業する人間の認知的制約の影響を緩和することによって、コミュニケーションや集団的知性の向上を助長することになります。

仕切りなしの影響2:ストレスレベルが悪化する

仕切りのないオープンオフィスのレイアウトは、ストレスレベルにも影響が出ることが分かっています。


カナダ西部の企業が大学心理学者のグループに、労働者が従来の仕切りのあるオフィスレイアウトからオープンオフィスレイアウトに移行する際の調査を依頼しました。


心理学者は、移行前・移行後4週間・移行後6か月の時点で従業員の周囲に対する満足度・ストレスレベル・職務遂行能力・対人関係を評価しました。


その結果、新しい仕切りのないオフィスレイアウトのスペースは全体的に評価が低く、ストレスを多く感じていることが分かり、生産性が低下していました。


心理的には、オープンオフィスの影響は比較的に単純です。


空間を仕切るということは心理的プライバシーと密接に関連しており、人はプライバシーが守られていると感じると仕事のパフォーマンスを向上させることが分かっているため、オフィス空間における仕切りは重要であることが分かります。

仕切りなしの影響3:集中力が低下する

BBCの調査によると、オープンなオフィスレイアウトにより空間の一体感が強すぎると、集中力の低下をもたらし、結果的に生産性と創造性が失われる可能性があるとされています。


多くの労働者は、職場にプライバシーの保護と集中するため、仕切られた空間の”避難所”を切望しています。職場においてコミュニケーションは非常に重要ですが、[仕切りなしの影響1]でも紹介した通りオフィスの仕切りを取り除いても、コミュニケーション形成は難しいでしょう。


イノベーションで成功しているテクノロジー企業では、コミュニケーションできる場所が多すぎると、生産性と創造性が失われる可能性があります。

オフィスに仕切りを取り入れる効果4つ

前項目では、仕切りなしのオープンオフィスによる弊害を論文や調査結果をもとに3つ紹介しました。本項目では、オフィスに仕切りを取り入れたときに得られる4つの効果を紹介します。

オフィスに仕切りを取り入れる効果1:生産性の向上

オフィスに仕切りを取り入れることにより、生産性の向上がみられるようになります。


前項目で仕切りのないオフィスが与える影響を紹介した通り、仕切りのあるオフィスレイアウトにすると、コミュニケーションが形成され、ストレス対策にもなり、集中力も向上します。結果的に生産性が向上することになるでしょう。

オフィスに仕切りを取り入れる効果2:健康への懸念の払拭

オフィスに仕切りを取り入れることにより、ストレス軽減が期待できます。結果的に精神面での健康への懸念が払拭されます。


前項目の[仕切りなしの影響2]でも紹介した調査結果では、仕切りのないオープンなレイアウトの企業では、働く人数が増えるほど療養休暇を取る人数が急速に増えるとされています。オープンすぎるオフィスには、適切に仕切りを取り入れると健康への不安も少なくなるでしょう。


また、近年では新型コロナ対策の一環として、座席間をアクリル板のパーテーション等で仕切る方法がとられることが多くあります。顔の高さ以上のパーテーションを設けると、周囲に飛沫の広がるリスクが軽減できます。

オフィスに仕切りを取り入れる効果3:防音対策になる

オフィスに仕切りを取り入れると、防音効果を生み、防音対策につながります。防音対策がきちんとされていないと、大事な話が漏れてしまう、スピーカ等による放送や会話の声が聞こえづらくなる等の問題が起こります。


今までオフィスにおいて音の問題は、軽視されていました。ですがオープンなオフィス空間による音の弊害は、生産性の低下をもたらし、ストレスを高めることも分かっています。

オフィスに仕切りを取り入れる効果4:プライバシースペースが確保できる

オフィスに仕切りを取り入れることによりプライバシースペースを確保できます。


オープンなオフィス環境によりプライバシーが守られていないと感じると、仕事に集中できず生産性が下がる恐れがあります。デスクレイアウトを工夫し、パーテーションで適度に視界を遮る等従業員のプライバシーに配慮すると、安心して仕事に打ち込めるので生産性が向上します。

オフィスに仕切りを入れる方法7つ

オープンオフィスから、仕切りのあるオフィスに切り替えると、様々な良い影響が出ることが分かりました。本項目では、実際にオフィスに仕切りを入れる7つの方法を紹介します。

オフィスに仕切りを入れる方法1:オフィス家具で仕切る

オフィスに仕切りを入れる方法に、カラーボックスや収納、本棚等のオフィス家具で間仕切る方法があります。壁を立てずに家具での仕切りになりますので、緩やかに間仕切ることが可能です。

オフィス家具仕切りの特徴

オフィス家具での間仕切りは、既存の家具で間仕切りを作ることも可能なため導入コストを抑えられます。


ただし、家具での間仕切りになるので高い防音性は望めません。また、地震等による転倒防止のため、背の高い家具を間仕切りとすることはできません。高さ1200㎜程度までに抑えるとよいでしょう。

オフィスに仕切りを入れる方法2:造作壁で仕切る

オフィスを仕切る方法の一つである造作壁は、新たに壁を施工して仕切る方法です。一般的に壁で仕切るといわれて想像することが多い方法になります。他の間仕切り方法よりも様々なデザインで壁を施工できるので自由度が高い点が特徴です。

造作壁仕切りの特徴

造作壁は、自由度が高くカーブを描く等デザイン性の高いものや、塗装やタイル仕上げ等様々な仕上げに対応可能です。


また、壁を施工するので防音性が非常に高いことも特徴です。エントランスの壁等に用いられることが多く、自由度の高さから、企業の顔となるようなデザイン性の高いものが多く施工されています。


ただし、建築施工になりますので工期がかかります。壁を新規で作成するので容易に移動ができません。レイアウト変更の際には壁を取り壊す必要がありますので注意してください。

オフィスに仕切りを入れる方法3:ローパーテーションで仕切る

ローパーテーションとは、天井まで届かない高さで床面のみで固定するパーテーションです。いわゆる衝立のことを指します。オフィス家具での間仕切り同様、緩やかに空間を仕切ることが可能です。

ローパーテーションの特徴

ローパーテーションは、施工・設置が比較的簡単で、頻繁にレイアウトを変更できます。また、使用用途によりパーテーションの高さを変えて設置することも可能です。


例えば、打ち合わせ等、セキュリティ性を求めるスペースでは、立ち上がってもあまり見える心配のない高さのものを使用することや、個人のデスクには人の目線を遮りつつ立ち上がれば互いの顔が見える高さのものを使用することもできます。


天井まで仕切るものではないので、防音性やセキュリティ効果はあまり望めません。簡単に施工できるため、業者等プロに相談せずに購入し、設置後に思っていたものと違うといった相違が起こることがありますので注意してください。

オフィスに仕切りを入れる方法4:スチールパーテーション施工で仕切る

スチールパーテーションは、天井の高さまで間仕切るハイパーテーションの一種です。その中でもスチールパーテーションは遮音性が高く、カラーバリエーションも多いので人気です。

スチールパーテーションの特徴

スチールパーテーションをはじめ、ハイパーテーションにはパネルに種類があります。スタンダードなデザインは全面パネルタイプです。


その他代表的なデザインに、照明や空調等の干渉を受けづらい上部開口タイプやパネルとパネルの間にロックウールを充填し遮音性をアップしたパネル等があります。


スチールパーテーションは、視覚的に重厚な印象があり、様々な形状や厚みでのパーテーションを作れますので、それぞれの企業にあった上質で高級感を効果的に出した会議室や応接室等を作成できます。


天井の高さまでパーテーションがあるので、天井のデザインや照明・空調等により施工が難しい場合があります。また、ローパーテーションと比べ施工難易度は上がります。

オフィスに仕切りを入れる方法5:アルミパーテーション施工で仕切る

アルミパーテーションはハイパーテーションの中でも比較的安価で施工が可能なパーテーションになります。アルミパーテーションは、スチールパーテーションよりも安価で楽に施工が可能です。

アルミパーテーションの特徴

アルミパーテーションは、発注後比較的に短納期で入手でき、安価で施工も簡単です。


アルミパーテーションはアルミ素材の支柱がむき出しになっているものが多く、スチールパーテーションと比べ視覚的に高級感が劣ります。その分、軽量に特化し素早く施工できるように工夫されているので施工期間が短くなります。

オフィスに仕切りを入れる方法6:ガラスパーテーション施工で仕切る

ガラスパーテーションは、透明なため開放的な空間の演出が可能なハイパーテーションです。デザイン性も高いため、近年人気が上昇中で、ハイパーテーションの中でも特に注目されています。

ガラスパーテーションの特徴

ガラスパーテーションは、ガラスの透明度によりインテリアの印象が変わります。透明ガラスのパーテーションは、圧迫感が少なく開けた印象になります。


すりガラスのパーテーションの場合、解放感は透明なガラスには劣りますが、他人がいるかどうかを壁越しに感じられつつ、プライバシーもある程度確保できます。


ただし、施工費用は比較的に効果になります。また透明または半透明のガラス素材のパーテーションですので人の目が気になる等、セキュリティ性能は低くなります。


気になる場合は、パーテーションにブラインドカーテンを組み込む方法の採用や、シートを貼り目隠しを作る等の対策によりある程度は改善できます。

オフィスに仕切りを入れる方法7:グリーンで仕切る

オフィスを仕切る方法には、グリーンで仕切る方法もあります。グリーンとは、観葉植物や多肉植物の総称で、内装に用いるグリーンはインテリアグリーンとも呼ばれます。


グリーンを活用すると、おしゃれな仕切りを手軽に作成可能になります。エントランスやロビー等お客さんが来る空間に使用すると明るく鮮やかな印象になるのでおすすめです。

グリーン仕切りの特徴

グリーン仕切りは近年人気が出てきている、オフィス内にグリーンを取り入れるボタニカルオフィスの一環としても注目されています。


グリーンで空間を仕切る方法は様々です。背の高い大型の観葉植物を利用する、小ぶりなものをプランター付きパーテーションに植えて利用する等の方法があります。


日々のメンテナンスが気になる方は、本物の植物に似せて作られた人工植物であるフェイクグリーンの活用がおすすめです。全体を覆い隠さず、グリーンの間の透け感が空間に圧迫感を与えないので開けた印象になります。


完全に間仕切る方法ではないので、防音性やセキュリティ性は低めです。他の仕切りとの組み合わせがおすすめです。

【方法別】仕切りを活用したオフィス事例総合9選

実際に仕切りを活用したオフィス事例にはどのようなものがあるでしょうか。


本項目では、前項目で紹介したオフィス空間に仕切りを取り入れる方法7つを活用した、オフィス事例9つをインテリアのレイアウトデザイン・施工した企業と一緒に紹介します。

仕切りを活用したオフィス事例1:オフィス家具を活用した仕切り事例

オフィス家具を活用した仕切り事例を2社紹介します。前項目でも紹介した通り、オフィス家具による仕切りは、緩やかな空間の仕切りが特徴的です。家具を使用しているので機能面にも特化しています。

hiqers株式会社

オフィス家具で仕切る方法の特徴である、緩やかな空間の仕切りが実現されている事例です。メイン動線での仕切りにオープンラック等のデザイン家具を使用しているため、明るくスタイリッシュな印象になっています。

BLACK SHIP株式会社

こちらの事例では、ワークスペースにオフィス家具による仕切りが採用されています。デスクの前面に什器を設置しています。


座ると顔が見える高さなので圧迫感が少なく、デスクが同行型レイアウトなため、後ろを向けば容易にコミュニケーションを取ることも可能です。また、手元は什器により隠れるので一定のプライバシーを守ります。

仕切りを活用したオフィス事例2:造作壁の仕切り事例

造作壁を使用した仕切り事例を2社紹介します。どちらもエントランスに使用されており、デザイン性の高さが魅力的な施工事例になります。造作壁は、オフィスの顔となるエントランスに企業名やロゴをデザインして設置する方法がおすすめです。

株式会社ジェネシス

会社のエントランスに造作壁を施工しています。企業を象徴するコーポレートカラーで統一され白と赤の引き締まった空間になっており、壁面のロゴマークが会社の顔として印象的です。ガラス製のウォールシェルフがスタイリッシュかつ機能的に利用されています。

株式会社アームズコーポレーション

こちらもエントランスに造作壁を設置しています。ナチュラルなストーン調のタイルにアクセントの木目ラインとブルーラインが凛々しい印象を与えています。企業ロゴを照らすスポットライトが企業名の印象を強くし、まさしく会社の顔といった印象のエントランスとなっています。

仕切りを活用したオフィス事例3:ローパーテーションの仕切り事例

ローパーテーションを活用した仕切り事例を1社紹介します。ローパーテーションは利用目的により高さを変えて仕切ることが可能なため幅広いシーンで活用できます。設置も比較的に簡単です。

エムジェイロジスティックスジャパン株式会社

ワークスペースでローパーテーションを活用しています。個人のデスクに座ると目線が遮られる高さで仕切られており、集中力の持続が可能になります。立ち上がれば全体を見渡せるので圧迫感が少ないのも特徴です。

仕切りを活用したオフィス事例4:スチールパーテーションの仕切り事例

デザインが多数あるスチールパーテーションの中でも、デザイン性が高くスタイリッシュなルーバータイプのスチールパーテーションを利用した事例を1社紹介します。


スチールパーテーションはハイパーテーションの中でもカラーバリエーションやデザインが多く様々なシーンに合わせることが可能です。

生興株式会社

スチールパーテーションはデザイン性が高いのでルーバー状にデザインされたものも存在します。ブラックのルーバー状スチールパーテーションが、スタイリッシュかつ緩やかに空間を仕切ります。

仕切りを活用したオフィス事例5:アルミパーテーションの仕切り事例

アルミパーテーションを活用した仕切り事例を1社紹介します。アルミパーテーションのデザイン性はスチールパーテーションやガラスパーテーションに劣りますが、ハイパーテーションの中でも安価で施工期間が短いことが特徴です。

株式会社アトス

こちらでは、会議スペースと応接スペースをアルミパーテーションで仕切っています。重い印象になりすぎないように上部をすりガラスと開口部にし、光が取り入れられるようにされています。工期は2日間のみで、短い施工期間で2室完成しています。

仕切りを活用したオフィス事例6:ガラスパーテーションの仕切り事例

ガラスパーテーションによる仕切り事例を紹介します。ガラスパーテーションは透明なため、空間を圧迫せずに天井まで間仕切りすることが可能です。スタイリッシュで開放感のある明るい空間を作るには適切なパーテーションです。

株式会社カズキ

こちらの事例は、ガラスパーテーションにより、ワークスペースとミーティングスペースを仕切っています。比較的省スペースなオフィスですが、ガラスパーテーションによる間仕切りのため、本来のスペース以上の開放感とインテリアスタイリッシュさが特徴的です。

仕切りを活用したオフィス事例7:グリーンを活用した仕切り事例

グリーンを活用した仕切り事例を紹介します。高さの低い仕切りでもたくさん仕切りをしてしまうと、圧迫感を感じてしまいますが、仕切りの間や上部等にグリーンを設置することによりリラックスできる空間を演出できます。

株式会社ワーク

ローキャビネットやローパーテーションの上部にグリーンを配置し、明るくフレッシュな印象のオフィスです。グリーンにはリラックス効果があるので、仕切りが多く設置されていても柔らかい開放感のある空間が実現されています。

造作壁と施工型パーテーションで仕切りを作るときの注意点

造作壁と施工型パーテーションで天井まで間仕切りを作る場合は部屋や壁の増設になりますので、安全衛生法や消防法・建築基準法の基準をクリアする必要が出てきます。本項目では注意すべき点を紹介します。

天井のタイプにより発生する工事が異なる

天井のタイプや天井の設備機器に配慮せず、天井まで間仕切り工事してしまうと、ミーティングスペースや執務室を作成したときに、空調が効かない空間になってしまう、照明の照度が労働安全衛生法の基準に満たなくなってしまう等の可能性が出てきます。


また、天井まである仕切りのすぐ横に煙・熱感知器やスプリンクラーがある場合は、作動の際に不具合が生じます。一定以上離して仕切りを設置しないと、移設となった際に別途費用が発生します。


天井のタイプは大きく3種類存在します。1つ目のグリッド型システム天井は、600mm角か640mm角の天井パネルを格子状に設置している天井です。


パネルと照明器具の部分的な交換が可能で、パネルの配置交換で天井の設備機器を自由にレイアウトできますので、天井までの間仕切り工事にも適しています。


従来工法天井はよく普及している一般的な天井です。照明器具や空調等の天井設備の設備を移動させることが難しく、レイアウトを変更したくともできる範囲が限られるので、天井までの間仕切り工事が難しい天井タイプです。


ライン型システム天井は、天井の仕上げ板と天井の設備機器が一体化しライン型にシステムが組まれている天井タイプです。縦に設置されている照明を横に取り付ける等は難しいですが、柔軟に天井設備機器を配置変更できるので天井までの間仕切りにも適しています。


天井まで間仕切るケースや、ミーティングスペースの作成を検討する場合は、天井タイプは必ず見ておきましょう。


出典:労働安全衛生法|e-GOV法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057

消防関連機器の設置が必要

天井まで間仕切り、新たにミーティングスペースや執務室を設けた場合、消防法により煙感知器やスプリングクラー等の防災設備の設置が必要となる場合があります。その際には、追加費用の発生や、消防署に届け出る必要が出てきます。


また、大多数の高層ビルでは、消防署の指導により不燃パーテーションで施工する必要があります。スチールパーテーションはほとんどのものが不燃認定されています。ところがアルミパーテーションは使用できないものも多いので注意が必要です。


出典:消防法|e-GOV法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186

オフィスに仕切りを入れて快適なオフィス空間にしよう

日本では空間に仕切りが少ない、オープンオフィスレイアウトが多い傾向にありますが、適切に仕切りを作成することにより、生産性の向上を見込めます。


プライバシー保護や生産性の向上のために仕切りを取り入れる企業も増えていますが、現在における新型コロナ対策の一環として仕切りを取り入れる企業も増えています。早急な仕切りの導入が必要な場合は、プラダンやダンボールの他100均で揃うもので自作することも可能です。


オフィスに仕切りを取り入れて従業員の働きやすい快適なオフィス空間を作ることにより、生産性の向上が目指せます。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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