オフィス引っ越しをする時の11の手順|引っ越しの注意点4つも解説

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. オフィスの引っ越しは計画性が重要
  2. オフィス引っ越しをする時の11の手順
  3. オフィスの引っ越しで注意すること4つ
  4. オフィスの引っ越し手順を把握して計画的に進めよう

オフィスの引っ越しは計画性が重要

オフィスの引っ越し作業は、旧オフィスの解約準備、新オフィスの物件探し、引越し業者・工事業者の選定、オフィスのデザイン決めなど多岐にわたります。


また、社外関係者への通知や社内への説明・指示、業務の振り分けもあります。これらの作業を遅滞なく行うためには、なんといっても計画が重要です。


具体的にどのように計画していくのか、詳しく説明していきます。

オフィス引っ越しをする時の11の手順

オフィス引っ越しはそうそうあるものではなく、家庭の引っ越し以上にやることも規模も大きいため、何から手をつけてよいのかわからない、経験者がいない等、途方にくれることもあります。


しかし、オフィスの引っ越し作業には一通りの手順があります。手当たり次第に作業を進めるのではなく、手順に沿って進めていけば、ゴールまでが明確になり引っ越し作業をスムーズに進められます。

1:旧オフィスの解約手続き

オフィスの解約手続きは、賃貸契約書を確認し、オーナーもしくは賃貸業者に解約通知を出して行います。


ほとんどの場合、解約の6ヶ月前に行うことになっていますが、小規模の場合3ヶ月前のこともあります。解約通知が遅れると、余計な出費が発生することがあります。


また、オフィスの退去とともに原状回復工事をすることになります。どこまで工事をする必要があるのか、オーナーもしくは賃貸業者に確認し、工事の見積りを早めに取りましょう。

2:新しいオフィスの決定

引越しの6ヶ月前までに移転先の選定を行うとよいでしょう。なぜ移転することになったのかなど、移転目的を明確にすると移転先に求めるものが見えてきます。


更に、入居コスト、設備、駐車場の有無などを考慮していくと決定しやすくなります。どんなに忙しくても資料だけでなく、現地に足を運んで物件を確認しましょう。

3:新しいオフィスの準備

引っ越しの4ヶ月ほど前に、オフィス工事業者やオフィスのデザイン・レイアウトを決めていきます。オフィスのデザインには、執務室、会議室はもちろん、会社の顔となるエントランス、社員がリラックスできる休憩室も含まれます。


そのまま使える什器や家具、新規で購入するものを洗い出す作業も行います。さらに、電気工事や空調工事等、必要な工事を手配します。これらの工事は、建築基準法など法律が関わるところもあるため、必要事項を確認しながら慎重に計画を立てる必要があります。

4:引っ越し業者選定

次に、引っ越し業者を選定します。業者によって、オフィス引越し費用も変わってきます。また、廃棄物の処理等を行う業者と実施していない業者があります。何社か見積りをとって業者が行う業務範囲と金額を比較してみると、適正価格が分かります。


オフィスの引っ越し業者は、配送業で有名なクロネコヤマトや佐川急便、日本通運、引っ越し業者として有名なアート引越センターやサカイなどがあります。

5:引っ越しスケジュールの確認

引っ越し当日までに、全体の引っ越しスケジュールの確認が必要です。


取引先への移転通知、新住所を記載した名刺や封筒などの発注、移転物品・廃棄物リストの作成、データのバックアップ、荷物の梱包などがあります。


それらをどのタイミングで誰が処理していくのか、確認する必要があります。

6:社内への周知

オフィスの引っ越しには社員の協力が必要不可欠です。移転への理解を深め、作業のミスなくスムーズに引っ越しができるような体制をつくります。そのためには、社員に引っ越しに関する情報を周知する必要です。


効果的な周知方法は、社内で説明会を開くことです。その事前準備として、移転の目的、流れ、スケジュール(工程表)、作業の分担表、引っ越しに付随して必要になる手続き(通勤費、新カード等)を整理し、引っ越しマニュアルを作成します。


マニュアルを作ることで、社員は随時工程などを確認しながら引っ越し作業を進めることができます。

7:引っ越し作業

引っ越し作業で最初にやるべきことは、書類はもちろん、家具や什器などを、新オフィスに持っていくものと処分するものに識別することです。新たに購入するものがあれば購入の手続きも必要になります。


引っ越し直前まで使うもの、引っ越し直後に使うものは、梱包のタイミングが難しく頭を悩ませます。梱包の箱に色やラベルで識別しておくと、移転先ですぐに開梱できるでしょう。


また、共通キャビネットに保管してあるファイルや書類も、引っ越し後、どこに保管するかを事前に決めておき、色やラベルで区別しておくとよいでしょう。

8:各種届出や書類などの住所変更

オフィスの引っ越しにより、名刺や封筒などの印刷物の住所変更の他にも、銀行、法務局、労働基準監督署、税務署、年金事務所などへの変更手続きがあります。


労働基準監督署には移転後10日以内、年金事務所には移転してから5日以内に手続きをするという期限が定められているものもあります。優先順位をつけながら変更手続きをしていきましょう。

9:移転通知発送

オフィスの引っ越しはやることが多く、大変ではありますが、オフィス引っ越しの挨拶を移転通知として、取引先等に送る必要があります。受取った相手方は、システムに住所変更の処理していくことでしょう。


移転通知は、引っ越し日の2週間前から1ヶ月前に相手方に届くように出します。また、イラストやデザイン、文案を決めるのに2週間、印刷作業に2週間と準備にも時間がかかることを忘れずに早めに準備を始めましょう。


また、最近では必要に応じて日本語だけでなく、英語での通知も必要になることもありますので、注意しましょう。

10:引っ越し当日

引越し当日は、新旧事務所の鍵の開閉で時間のロスがないよう、どちらにも人員を配置しておくこととよいでしょう。


荷物の運搬は業者が行います。しかし安全に作業が行えているか、予定通りにすすんでいるかをチェックするのは担当者の仕事になります。

11:新しいオフィスでの業務開始

引っ越しを済ませたら、取引先との業務が滞らないように、まず電話が開通しているか確認します。


さらに、引っ越しによって壊れたものがないか確認し、必要な書類を所定のキャビネットに入れます。

オフィスの引っ越しで注意すること4つ

これまで説明してきたようにオフィスの引っ越しは、やるべきことが多岐にわたり、また物件探し、工事業者との打ち合わせ、引っ越し業者との打ち合わせ、社内への周知、取引先への通知など多くの人々と関わることになります。


怠ると引っ越し後に混乱が起きたり、スムーズな通常業務が行えなくなったりすることもあります。信用の喪失につながることもありますので、注意が必要です。

1:業者に依頼する場合

引っ越しの規模にもよりますが、業者に依頼するパターンと自分たちで行うパターンがあります。業者に依頼することにより、引っ越しのプロからアドバイスがもらえたり、引っ越しにかかる負担が軽減出来たりするメリットがあります。


しかし、業者に依頼する場合、注意が必要な点もあります。

数か月前には見積もりを取る

オフィスの引っ越しを効率よく、コストを抑えて業者に依頼するなら、数か月前に複数の業者から見積もりをとることをおすすめします


見積もりの段階で、何ができて何ができないのか、依頼する作業は有料なのか無料の範囲なのかを確認します。場合によっては別の業者に依頼するものや、週末や祝日で料金が割高になってしまうものもあります。


また、複数の見積もりをとることで、相場や適正価格が分かります。

機密情報の梱包は業者に頼まない

住所、氏名などの入った顧客情報や企業のノウハウなどの機密情報の漏洩には、常に注意が必要です。オフィスの引っ越しの際、破棄するものはシュレッダーにかけたり、溶解処理の専門業者に依頼したりして、人目に触れずに処分することが重要です。


現在も活用している資料を新オフィスに持っていくときには、担当者が各自で責任をもって梱包し、鍵のかかる部屋に置いておくようにしましょう。


機密性の低い書類と一緒にすると、雑に扱ったり、紛失や誤って捨ててしまう恐れもあります。また、パソコンに関しても扱いには注意が必要です。

2:使い勝手の良いレイアウトにする

オフィスのレイアウトを決める前に、オフィス内のエリアをゾーニングします。ゾーニングによって、執務室エリア、会議室エリア、倉庫エリア、リフレッシュエリア等に分けていきます。


ゾーニングは社員同士のコミュニケーションや動線にも影響します。希望やこれまでのオフィスの課題点をレイアウトのプロと相談しながら、よりよいオフィスを作っていくことが大切です。


その後、それぞれのエリアのレイアウトを決めます。執務室一つとっても、一般的な対面の島型にするのか、それぞれ集中しやすいように壁に向かい作業するタイプにするのか、フリーアドレスタイプにして共有席の自由席にするのかなど、選択肢はさまざまです。

3:梱包はわかりやすくする

移転後、スムーズに片付けができるように、荷物を置く場所ごとに梱包していきます。そして、部署名、場所、中身をラベルに書いて段ボールに貼ります。この時、段ボールの上段にだけラベルを貼ると、積み重ねた時見えなくなってしまうため、側面にもラベルを貼るようにします。


また、パソコンのケーブル類は混乱してしまい、段ボールから取り出してもなかなか繋げることができず、仕事のスタートが遅れることがあります。事前に番号を付与し、何番のケーブルをどこにつなげるといったリストを作っておくとスムーズに作業ができます。

4:電気やネット回線は引っ越し前に使えるようにしておく

引っ越し後は、片付け作業などのやるべきことが多数あります。中でも電気やネット回線の接続不備は、業務の停滞につながります。


引っ越し後、スムーズに片付けや業務が行えるよう、引っ越し前に使えるようにしておくと安心です。電気やインターネットだけではなく、ガス、水道、空調も同様です。引っ越し前にチェックリストを作って確認しましょう。

オフィスの引っ越し手順を把握して計画的に進めよう

オフィスの引っ越しには、やるべきことや打ち合わせ、決めることなどたくさんの作業があります。これらはすべてが順調に進むわけではありません。


やることをリスト化し、さらに工程表でスケジュールを管理して社内で共有する必要があります。


オフィスの引っ越し手順を確認し、計画的に進めましょう。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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