狭い事務所のレイアウト改善の工夫9つ|オフィス家具を上手に使おう

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 人が狭い事務所と思う理由
  2. 狭い事務所をレイアウト変更によって改善するメリット
  3. 狭い事務所による悪影響4つ
  4. 狭い事務所のレイアウトを改善する前の準備3つ
  5. 狭い事務所のレイアウト改善の工夫9つ
  6. 狭い事務所をレイアウトするときの注意点3つ
  7. 狭い事務所をレイアウトで改善しよう

人が狭い事務所と思う理由

人が事務所を狭いと感じる理由は2つほど挙げられます。通路幅が狭い、もしくは、パーソナルスペースがとりづらい環境です。それぞれ2点について解説していきます。

事務所の通路幅が狭い

事務所の通路幅が狭い時は、デスク付近の床やデスク周りに荷物が置いていないか確認します。デスクや床に書類や物がたくさん置いてあると、視界に溢れかえった物があることで圧迫感を感じて通路が狭く見えます。また、発注した備品を通路に積み上げているケースもあり、この場合も通路幅が狭く感じます。


快適にオフィス内を移動できる通路幅というものがあります。現状の通路幅を知り、狭い事務所のレイアウトにおける課題を分析することが重要です。

パーソナルスペースがとりづらい

パーソナルスペースがとりづらい環境であることも事務所が狭いと感じる理由です。大きな家具を使用したり、事務所のスペースに対して最適な従業員数よりも多くのデスクが設置されていると狭いと感じます。


パーソナルスペースは人それぞれ個人差があります。社員それぞれのパーソナルスペースを考慮し、また、それぞれの業務内容を視野に入れて座席レイアウトを考えることが大切です。

狭い事務所をレイアウト変更によって改善するメリット

狭い事務所のレイアウト変更のメリットについて考えていきます。


ある企業の例では、執務室の裏手に集中作業用スペースを設置し、適度に囲まれた圧迫感のないスクリーンブースを作ったり、社内全体で不要な物を整理する意識を高め、断捨離を実行したり、狭い事務所のレイアウトを変更し、作業に集中するためのスペースを作るなどです。


事務所移転は費用がかかりますが、不要な物の廃棄は無料でスペースを作れ、コストや社内意識向上の面で有益な方法です。

狭い事務所による悪影響4つ

狭い事務所による悪影響は何でしょうか。それは、狭いと感じることでストレスが発生し、集中力が低下し、さらにはモチベーションが低下することです。


ここからは4つの悪影響についてご紹介します。

1:社員の移動が減る

狭い事務所による悪影響が出るケースの1つは、社員の移動が減ることです。社員の移動が減ると言うことは、社員同士のコミュニケーションが減ることでもあります。仕事の生産性向上という観点で、業務内容や役割により座席のレイアウトを慎重に扱いましょう。


例えば、企画や開発部門は、集中力とコミュニケーションという両面を併せ持つ業務のため、背面対向式レイアウトが理想的です。業務内容ごとに動線を想定し、作業効率アップが見込まれるレイアウトを検討します。

2:ストレスの蓄積

狭い事務所による悪影響で、ストレスの蓄積が発生します。ストレス蓄積の要因には、プライバシーがないことや、空調設備がよくないことが挙げられます。


狭い環境で近くの人と目が合うことでストレスになり、さらにプライバシーがないと感じやすくなります。空調設備については、冷暖房の場所によって寒過ぎる暑過ぎるという身体的なストレスがかかります。パーソナルスペースや空調設備を考慮し、デスクの配置を決めていくことが重要です。

3:集中力の低下

狭い事務所のレイアウトは、集中力の低下という悪影響をもたらします。身の回りが雑然とした環境にいたり、気分転換できない状況が続いたりするとイライラして集中できません。


社内全体や身の回りを整理整頓してイライラを解消し、集中力を改善します。また、気が散る時は集中スペース、気分転換する時はカフェテリアを利用するなど、状況に応じて場所を変えましょう。気分転換することでリフレッシュでき、休憩後の仕事がはかどります。

4:モチベーションへの影響

狭い事務所のレイアウトにより、モチベーションへの影響も懸念されます。周りが騒がしい職場環境により集中力が下がり、思うように仕事がはかどらずモチベーションが低下することがあります。


モチベーションが下がるような悪影響を改善するには、適度に気分転換ができるスペースを設置します。カフェテリアなどで気分転換することで、モチベーション低下を防ぎます。

狭い事務所のレイアウトを改善する前の準備3つ

狭い事務所のレイアウトを改善するためには、事前準備の作業がとても重要です。以下に事前準備のポイントを3つに絞って説明していきます。ぜひ読んで参考にしてみてください。

1:必要なスペースを洗い出そう

準備ステップとして、必要なスペースを洗い出します。社員が事務所に何を求めているか、また、事務所に不要もしくは必要なスペースがあるかについて現状分析します。不要なキャビネットを廃棄したり、フリーアドレス導入を検討してデスクの数を減らすのも方法の1つです。


現状分析の後、1人あたりの面積、執務スペースや会議室の構成比、デスクのレイアウトを考えます。社員が事務所に何を重要視しているかを考え、社内全体のレイアウトに必要なスペースを割り当てて計画します。

2:レイアウトのイメージを固める

社員が事務所に求めている内容がわかったところで、レイアウトのイメージを固めます。執務スペース、収納場所、ミーティングルーム、機器関連、カフェなどの福利厚生エリア、受付などのパブリックエリアの割合を決めます。


レイアウトのイメージを固めるには、他社の事例を簡単に比較できるサイトを参考にします。他社のレイアウトの事例を参考にすると、具体的なイメージがつけやすくなりますし、決定するまでの時間を短縮できます。

3:予算の算出を行う

狭い事務所のレイアウトを改善する準備として、予算の算出があります。想定される費用の例は、オフィス家具購入費用、不要物などの廃棄費用、パーテーション工事費用などが挙げられます。


会社の予算上難しい場合は、フリーアドレス制やフレックスタイム制の導入、OA機器や収納家具の選定で省スペースを計る、ペーパーレスによる書庫のコンパクト化などを検討します。会社の収支予算を見据えながら、会社の経費をなるべく使わないような手法を取り入れることも大切です。

業者に見積もりを依頼する場合

予算算出の後、具体的に業者に見積もりを依頼します。予算がはっきり決まっている場合は、複数の会社の見積もりを一気に依頼できるサイトが有効活用できます。相見積もりができるサイトは、他社との比較検討に時間をかけたくない時におすすめです。


また、オフィスのリフォームに特化した企業のサービスは、配線周りからオフィスリフォーム全体の施工を着手するので、オフィス全体のリフォームを検討する場合はおすすめです。

狭い事務所のレイアウト改善の工夫9つ

狭い事務所のレイアウト改善の工夫9つに焦点を合わせます。改善プランによって、狭い事務所のスペースを有効活用できます。ぜひ参考にしてみてください。

1:オフィス家具を上手に使おう

狭い事務所をオフィス家具を上手に利用することで、開放感のある空間にします。事務所にある家具が背の高いものだとします。背が高い家具が狭い空間にあると、見た目で圧迫感を感じるのではないでしょうか。


目線よりも下に家具を配置することで、視界に邪魔なものが見えない分だけ開放感を感じます。一番背の高いキャビネットの高さを低くすることで、狭い事務所を開放感のある空間に見せます。

オフィス家具の変更も視野にいれる

事務所で一番スペースを占めているのがデスクです。デスクの幅を見直すことも、狭い事務所にスペースを作る有効な方法です。一人あたりに必要なスペースは業務内容によって異なります。


例えば、モニターが2つ必要だという業務はそれなりにスペースを必要としますが、ノートパソコンを使う業務であればそれほどスペースは必要ではありません。事務所のスペースを占めているデスクやキャビネットを変更し、新たなスペースを作って広くします。

1ヶ所にまとめてみる

狭い事務所で物を1ヶ所にまとめて空間をすっきり見せる方法があります。自分のデスクの上に高い収納場所を作ったり、大きい荷物を置きすぎると狭く感じます。デスクの上は基本必要な物以外は置かず、使う物を短時間で取り出せるレイアウトにすると便利です。


例えば、私物のカバンを椅子の背もたれに引っ掛けるアイテムの利用や、袖机にデスクポケットをつけてスマホやメモ帳などすぐ使えるようにしておきたいものを入れます。デスク周りの1つの機能である場所に2つ以上の機能を持たせ、スペースを有効活用しましょう。

パーテーションとしての活用

パーテーションを上手に活用することで、レイアウトの改善につながります。ただ、狭い事務所では高いパーテーションは圧迫感を感じさせるため、できるだけパーテーションは低くします。


また、スペースを上手く利用する方法として、多機能なパーテーションを選ぶことをおすすめします。例えばホワイボート機能がついた物や、マガジンラックがついた物、窓下に置ける収納庫などがあります。

2:小さなパソコンに買い替える

狭い事務所で大型のPCを多用するとさらに狭く感じます。大型PCからノート型PCに変更することでスペースを有効活用でき、ノート型パソコンをキャビネットに収納する際にもスペースを削減することができます。


また、大型PCよりも小型のノート型の方が購入費用や消費電力もリーズナブルです。ノートPCにすることで、スペースだけではなくコスト面も削減できるメリットがあります。

3:フリーアドレス型にする

狭い事務所のレイアウトを改善する方法として、フリーアドレス型の導入が挙げられます。従来の固定席と異なり、空いている席を自分で選択して利用します。共同で利用するデスクであり、使い終わったらキャビネットにPCを保管するため、常にデスクの上はすっきりします。


利用する人が毎回予約するスタイルのフリーアドレスを採用すれば、全社員分のデスクが必要ではないためスペースが確保できます。

4:パーソナルスペースの確保の仕方

狭い事務所のレイアウト改善には、パーソナルスペースを確保する方法があります。コロナウィルスの問題でオフィスに対する考え方が変わってきました。現在は多くの企業でコロナ対策を考慮したデスク設計が求められています。


前述したフリーアドレスを採用しながら、固定席については、クラスター型レイアウトが有効活用できます。全員のデスクが前を向くので、目線も合わずストレスを感じないレイアウトでおすすめです。

5:デッドスペースの活用

狭い事務所のデッドスペースの活用方法には色々あります。例えば、デッドスペースに柱がある場合はあえて物は置かず、柱を情報掲示板として利用します。また、デッドスペースが小さな場合は高いテーブルを置き、スタンディングでミーティングができるスペースに活用します。


デッドスペースが中途半端な形だとしても、小さなスペースを上手に使って有効活用できます。

6:光の入り方を意識する

事務所の光の入り方を工夫することで、狭い空間の見せ方を変えます。スペースを仕切るためパーテーションを利用する際、暗い色のパーテーションで区切ると圧迫感を感じます。


例えば、パーテーションを透明感のあるガラスなどスケルトンタイプにすると開放感のある空間になります。光が入らない空間は狭く圧迫感を感じるため、窓を大きくしたり、透明感のある素材のパーテーションを使ったりして光を上手に取り入れる工夫をしましょう。

7:なるべく明るいトーンの色を取り入れる

狭い事務所のレイアウトは、室内の色彩でも印象が変わります。もし、インテリアの色調が暗いと感じるのであれば、明るい色を取り入れてみましょう。明るい色は人に開放感を感じさせる色なので、取り入れると狭い空間を広く見せます。


全てを明るい色にするとぼやけた印象になるため、一部暗いトーンの家具をアクセントとして利用します。暗い色の床板の場合は、明るめのラグを置いて色に変化をつけ、圧迫感のあるインテリアの印象を変えるとよいでしょう。

8:書類をデータ化して書類収納を減らす

狭い事務所を広く見せる方法として、書類をデータ化してキャビネットを減らす方法があります。手始めに断捨離プロジェクトを社内で立ち上げ、個々人の書類を整理します。ある程度減らした段階で、事務所全体の書類をリスト化して把握します。不要であれば廃棄し、重複していればまとめます。


また、ファイルのタイトルのルールを決めます。タイトルを見て全員が何の書類かわからない場合、書類を探すのに時間がかかります。事務所全体の物理的な紙の整理ができたところで、紙をスキャンしてハードディスクやサーバーにデータを移行して狭い事務所にスペースを作ります。

9:兼用スペースを設置する

狭い事務所にスペースを作るために、兼用スペースを設置することも検討します。例えば、ミーティングエリアにコーヒーメーカーなどを設置してカフェテリアの要素を含めます。これにより、ミーティングがない時はリフレッシュルームとして利用できます。


1つの空間に2つ以上役割を兼ね備えると、狭い事務所のスペースをより有効活用できます。

狭い事務所をレイアウトするときの注意点3つ

狭い事務所をレイアウト変更するときは、幾つか注意点があります。災害時、社員の増減時、電源の場所の3つのポイントに焦点をあててご紹介します。

1:災害時の安全性を確保するには?

狭い事務所をレイアウト変更する際、災害時を考慮することが重要です。地震が起きた時、背の高いキャビネットが倒れたり、頭上から物が落ちてきたりする可能性が高いです。また、逃げる際の足元に物が置いてあると、事務所から出る際は非常に危険です。


災害時を考慮して低い家具を選定し、また、常に事務所の通路に物を置かないように心がけることが大切です。

2:人数が増えたときのことも考える

狭い事務所に、社員が増える度にレイアウトを変更するのはとても大変です。社員が増減する時に柔軟に対応でき、デスクの配置を変更する手間を省くレイアウトが理想的です。


人数の増減によるデスク配置変更の手間を省くために、同じデスクや配線で事務所全体を構成し、部署関係なく人が動いてもすぐ使えるようにします。

3:電源の場所に配慮する

事務所をレイアウト変更する際、電源の場所に配慮することも大切です。デスクを設置した場所から電源までの距離がある際は延長ケーブルを使います。延長ケーブルは便利ですが、足元にあると足に引っ掛かり歩行時に危険ですし、デスク周りにあると手元が邪魔です。


そのため、事務所をレイアウト変更する前に、電源の場所をチェックして配置を考えてデスクを設置するようにしましょう。

狭い事務所をレイアウトで改善しよう

狭い事務所のレイアウトを改善すると、空間全体の見た目もすっきりした印象になりますし、来客者への印象がよくなります。また、整理整頓されていると、災害時の観点からも有効です。


引っ越しやリフォームで費用を使わず、少しの工夫で改善できる方法をご紹介しました。ぜひ、活用してみてください。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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