青山のオフィス【人気の秘密】事務所利用での快適さ・利便性

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 青山は江戸のはずれ?青山の歴史
  2. 青山はなぜおしゃれな街になったのか
  3. 人気の絶えないオフィス街・青山
  4. 生まれ変わる「青山ベルコモンズ」
  5. おわりに

多種多様な「おしゃれ」が集まる街・青山。隣接する渋谷や原宿の賑やかさとは対照的に、オトナな雰囲気が感じられる非常にラグジュアリーな街として知られています。メインストリートである青山通りはもちろんのこと、ハイブランドの路面店が軒を連ねるみゆき通り、オトナ向けブランドやレストランが並ぶ骨品通り。通りの路地裏にも隠れ家的なおしゃれスポットが多く分布しており、いたるところに人の列が見受けられます。

また青山通りを赤坂方面に進んでいくと、たくさんのオフィスを見つけることができます。今回のコラムでは、そんな二面性を持った街である青山のオフィス事情に迫っていきたいと思います。

青山

青山は江戸のはずれ?青山の歴史

おしゃれなイメージとは正反対の青山のルーツ

江戸時代、現在の青山一帯は徳川家康の重臣であった青山家の別荘のある広大な敷地でした。なんでも江戸の中でも街はずれという立ち位置で雑木林まであったというから驚きです。今の青山の姿からは想像もできませんね。もちろん現在の青山という地名のルーツはこの青山家にあることはいうまでもありません。明治時代になると青山一帯は中流階級の人々が多く居住する地域に変化しました。

青山はなぜおしゃれな街になったのか

青山が現在の姿に変わり始めるきっかけになったのは、1964年の東京オリンピックに際して青山通りが拡張されたことだと言われています。そこから個人商店や古民家が、マンション、オフィスやブティックに変わっていきました。しかしなぜ青山が東京都内屈指のおしゃれスポットに変化していったのでしょうか。

この理由は歴史を紐解くと見えてきます。少し歴史を遡り、第二次世界大戦直後の日本の話をすると、当時の日本はアメリカに敗戦し、アメリカの最高司令部であるGHQの統治下にありました。そのため多くのアメリカ軍の人々が日本に住むようになりました。

そのような状況下で、現在の代々木公園近辺にアメリカ軍の人々とその家族が住むための軍用施設であるワシントンハイツが建設され、そこに住む人々の多くが現在の表参道や青山エリアに出向くようになりました。そして彼らの需要に応えるかのような海外風のお店が多く立ち並ぶようになりました。

さらに前述した東京オリンピックの開催が青山の変化に拍車をかけます。ワシントンハイツの跡地に代々木体育館と選手村ができたことで今まで以上に海外の人々の流入が加速し、また彼らの需要の受け皿として青山エリアが発達していきました。このような経緯で青山はファッショナブルな街へと変貌を遂げていったのです。

人気の絶えないオフィス街・青山

青山はオフィス街としてもハイブランド

青山のビル

青山の街としてのブランド力の強さはオフィス事情にも直結しています。港区という土地柄、表参道駅であれば半蔵門線、千代田線と銀座線という三路線が利用でき、他にも外苑前駅と青山一丁目駅も利用できる交通利便性の高さという要素も相まって、その人気は衰えることはありません。近隣の地域の相場賃料と比べても割高ではあるにも関わらず、オフィスの空室率は非常に低い水準を推移しています。

集まっている企業も青山らしく外資系ブランドの日本法人のようなファッション系や雑誌や広告系のようなクリエイティブな企業が多いです。他にはIT企業も非常に多いエリアでもあります。有名な企業名をあげると、プラダの日本法人、外資IT企業の日本法人である日本オラクル、言わずと知れた日本を代表するエンタメ系企業であるエイベックスグループ、クレジットカードのJCB、日本トップの利益を叩き出す総合商社である伊藤忠商事などがあります。

生まれ変わる「青山ベルコモンズ」

青山エリアで最も注目度の高いオフィス再開発事業といえば、「the ARGYLE aoyama (ジ アーガイル アオヤマ)」でしょう。このプロジェクトは三菱地所が手がける、2014年に閉館した青山ベルコモンズの跡地に複合型商業施設を建設するものです。青山ベルコモンズは1976年のオープン以来、青山のファッションシーンを牽引してきた商業施設で、長い間この街のランドマークとして愛されてきました。

この度新たに開業するthe ARGYLE aoyamaは地上20階の高層ビルで、商業施設、ホテルとオフィスから構成されます。特にオフィスの基準階フロアは250坪という広さを誇り、三喜商事をはじめとして有名企業の入居が決まっているそうです。さらに、シェアオフィス需要にも応えられるようにとWeWorkによるコワーキングスペースも4フロアに渡って設置されるようです。さらなる青山エリアのオフィス需要の拡大に大きな役割を果たす施設となりそうです。

the ARGYLE aoyama

(出展:https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec20200303_the_argyle_aoyama.pdf)

常に人気が絶えない人気のオフィス街も他の港区オフィス街に負けじと再開発事業に取り組み、そのニーズに答え続けています。来年に延期が決定した東京オリンピックに向けてさらに街の魅力が向上していくことが見込まれると言えるでしょう。

おわりに

紹介してきた通り青山はまだまだ熱いオフィスマーケットになりそうです。その賃料や人気から小規模の事業者ではなかなか手の出しづらいところではあるかもしれませんが、比較的賃料を抑えられるシェアオフィスやコワーキングスペースも時代に合わせて増えてきていることも間違いありません。

ぜひご自身の事業規模にあった無理のない計画で青山エリアのメリットを最大限享受できるオフィス探しにチャレンジしてみてください!


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監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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