オフィス移転の際にやることは?やるべきことと移転に伴い必要な8つの手続き

田中 陸(Riku Tanaka)

オフィス移転は大変?

オフィス移転はやることがたくさんあり、大変であるというイメージを持っている人は多いでしょう。


実際、旧オフィスでやることと新オフィス関連でやること、移転の際に行う手続きなどやることはたくさんあるため、大変な作業になります。


できるだけ効率良く、また作業漏れを起こさないように、やることを事前にリストアップしてチェックしながら進めていきましょう。

オフィス移転の際は移転目的を明確にしよう

オフィス移転ではじめにやることに、移転目的の明確化があります。オフィス移転の目的は企業により異なり、「オフィスを今より広くしたい」や「企業イメージをアップさせたい」などさまざまです。


目的が明確でないと新オフィスを選ぶ条件を決めることができません。現在使用しているオフィスが抱える問題点を洗い出し、実現させたいことを明らかにすれば目的も明確化することができます。

移転前に旧オフィスでやること

オフィス移転の際にやることとしてはじめに、移転前に旧オフィスでやることを紹介していきます。


オフィス移転が正式に決定したら現在使っているオフィスの解約手続きを行い、原状回復工事の手配を行っていかなければなりません。

1:オフィスの解約手続き

オフィス移転を実現するためには旧オフィスの契約内容を確認し、解約に関するルールを把握する必要があります。契約内容を把握して決められた通りに解約手続きをしましょう。


一般的な賃貸オフィスは退去日の6か月前(スモールオフィスの場合は3か月前)にビル管理会社やオーナーへ解約通知を出さなければ、解約することができません。


新オフィスへの入居日などを確認し、退去日を設定しその6か月前までに解約手続きをしましょう。

2:オフィスの原状回復工事

オフィスを解約する場合には借りる前の状態に戻す原状回復を行わなければなりません。


勝手な判断で工事を行うと後からトラブルになりますので、原状回復工事の範囲を確認し、指定業者がある場合にはそこに依頼した方がいいでしょう。


特に指定業者が無い場合には自分たちで業者を探し、工事を依頼する必要があります。退去日までに工事を完了しなければなりませんので、スケジュール調整を行い早めに工事を手配しましょう。

移転決定後の新オフィス関連でやること

次に、移転決定後に新オフィス関連でやることを紹介していきます。


オフィス移転は旧オフィスが抱える問題点を解決するために行われるもので、旧オフィスから新オフィスへ引っ越しをすればいいというものではありません。


問題点を解決できるように物件を探したり、オフィスレイアウトを検討したりとやることはたくさんあります。やることを把握して一つひとつ確実に進めていくようにしましょう。

1:移転先物件探し

解約手続きを進めるとともに移転先物件を探しはじめます。新オフィスを探すためには条件を設定しなければなりません。立地や広さ、設備、周辺環境、コストなどが新オフィスを探すための条件になります。


すでにお話していますが、移転を決めた時点で目的を明確にすることができていればそこから新オフィスの条件を絞ることができるでしょう。


できるだけ妥協せず理想のオフィスを作り出せるように、時間をかけて物件を探しましょう。

2:オフィスレイアウトの検討

物件が決まったら工事の手配を行う前にレイアウトを考えていきます。部署ごとに必要なスペースを割り出し、応接室や休憩室などそれぞれの部屋の配置を検討していきます。


社員だけが使用するスペース、社員と来客者が共有するスペースとに分け、動線を考えながら配置していきましょう。


家具や機材のレイアウトも考えていく必要があります。必要に応じて専門家の意見を取り入れていくといいでしょう。

3:工事業者の手配

オフィスレイアウトが決定したら工事業者を選定し、手配していきましょう。オフィス移転では原状回復工事・内装工事・電気工事・通信設備工事という複数の工事が発生します。


ビルによっては業者の指定がありますのでまずそれを確認し、指定が無い場合は自分たちで探します。一つの業者に複数の工事を依頼するとコストを抑えることができ効率的ですので、依頼できる工事範囲を確認し、できない部分は違う工事業者を手配しましょう。

4:オフィス家具などの選定・発注

レイアウトが決まったら新オフィスで使う家具やOA機器を選定し、必要に応じて発注していきましょう。


家具は旧オフィスから持っていくのか、新たに購入するのかを考えてリストアップしていきます。現在、リースしているOA機器は契約を継続するのか、移転に合わせて新しいものに交換するのか考えましょう。


廃棄するものがあればそれもリストアップし、業者に見積もりを依頼し引き取りしてもらうことも考えなくてはいけません。

5:引越し業者の選定・打ち合わせ

旧オフィスから新オフィスへ荷物を運び出すために、引越し業者を選定し打ち合わせを行います。


費用を抑えるためには複数業者から見積もりをとるのがポイントですが、単純に低価格を付けたところを選ぶのではなく、作業内容と料金を総合的に判断する必要があります。


廃棄物の引き取りを引越し業者に依頼できるのであれば一緒に依頼した方が効率的ですし、コストダウンにもつながります。

6:各所への移転連絡

オフィス移転のための作業を進めていく中で、各所への移転連絡も忘れてはいけません。移転の1か月前までを目安に、オフィス移転と新オフィスの新住所を記載した案内状を送付しましょう。


顧客や取引のある会社はもちろん、リース会社や警備会社などにも漏れが無いように案内状を送付します。契約書に記載してある住所を変更するかどうかの確認も合わせて行いましょう。

7:社内の移転マニュアル作成・周知

社内の人たちにオフィスを移転することを知らせる必要があります。社内に周知させるためには事前に移転マニュアルを作成し配布してから、説明会を開くと良いでしょう。


移転マニュアルには移転の目的やスケジュール、新オフィスの住所やレイアウト、引越しの役割分担、移転物品、廃棄物品、顧客への対応などを記載します。事前に移転に関する情報を共有しておくことでトラブルを防ぐことができます。

8:引越し

引越し準備のスケジュール確認は引越しの1か月前を、当日の役割分担の確認は1週間前を目安に行います。


事前にリストを作成し移転する物品、残しておく物品、廃棄物品を把握し、旧オフィスで使わないものから順に梱包をはじめましょう。壊れやすいものや精密機器の梱包方法は事前に確認しておくようにします。


引越し当日は旧オフィスと新オフィスのどちらにも担当者を立ち会わせ、積み残しなどがないようにしましょう。

移転の際に行う手続き

ここからは、移転の際に行う代表的な手続きを8つ紹介していきます。


オフィス移転の前後にはさまざまな手続きを行わなければなりません。それぞれ必要な書類が違い提出する場所や期限にも違いがあります。


工事や引っ越し作業に気を取られてしまうことが予想されますので、何をいつまでにどこに提出するかを把握し、少しずつ準備し提出していくようにしましょう。

1:郵便物届出変更届

オフィス移転後、旧オフィスに届いてしまった郵便物を新オフィスに転送してもらうために郵便物届出変更届を郵便局に提出します。移転が判明したら速やかに手続きしましょう。


手続きには代表者の氏名の記入や、押印を済ませた郵便物届出変更届の書類、提出者の社員証などが必要です。


時間が無く窓口まで行くことができない場合には、インターネットや郵送でも手続きすることができます。

2:自動車保管場所証明申請書

社用車やバイクを所有している企業で移転に伴い保管している位置が変わる場合は、駐車場を管轄する警察署に自動車保管場所証明申請書(車庫証明)を提出しなければなりません。


保管場所標章交付申請書や保管場所の所在図・配置図、保管場所の使用権原を疎明する書類などの書類が必要です。

3:異動届

本店が移転することで納税地に変更が発生した場合には、納税地を変更するために異動事項に関する届出をする必要があります。


2週間以内など具体的な期限は定められていませんが、移動後速やかに移転前の所在地を管轄する税務署に届出するようにしましょう。


異動届を作成し窓口に持参して提出するほか、郵送や電子申請することができます。

4:事業所所在地変更届

健康保険と年金に関する手続きとして、移転後5日以内に健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地変更届を年金事務所に持参や郵送、電子申請のいずれかの方法で提出しなければなりません。


事業所所在地変更届には法人(商業)登記簿謄本のコピーや所在地を確認することができる賃貸借契約書のコピーなどを添付する必要があります。


新オフィスが同一管轄内であるか管轄外であるかにより手続き方法が異なりますので確認しましょう。

5:名称所在地変更届

労働保険関係の手続きとして、移転日の翌日から10日以内に新オフィスの所在地を管轄する労働基準監督署へ労働保険名称所在地等変更届を提出しなければなりません。


移転事実の確認のために、登記簿謄本のコピーや賃貸借契約書のコピーの提出が求められることがありますので事前に準備しておきましょう。

6:本店移転登記

本店を移転した時には、本店移転登記を移転日から2週間以内に法務局で手続きを行う必要があります。


管轄内での移転の場合は、登記申請書を1通作成し現在の管轄法務局で手続きすればいいですが、管轄外の地域に移転する場合は旧オフィス所在地を管轄する法務局宛と新オフィス所在地を管轄する法務局宛ての登記申請書が必要になります。


2通の申請書を旧オフィス所在地を管轄する法務局に提出すれば手続きすることができます。

7:雇用保険事業所変更届

雇用保険に関する手続きとしては、公共職業安定所(ハローワーク)に移転日の翌日から10日以内に雇用保険事業主事業所変更届を提出しなければなりません。


新オフィスの所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に、登記簿謄本のコピー等移転の事実が確認できる書類を提出します。二元適用事業に該当する事業者は、労働保険名称所在地等変更届も合わせて提出する必要があります。

8:防火・防災管理者選任届

多数の人が出入りする建物では火災が起きた時や地震などの災害が起きた時、被害の防止や軽減のために、消防計画を作成する業務を行う防火・防災管理者という人を選人する決まりがあります。


防火・防災管理者は誰でもいいわけではなく講習を修了している者でなければなりません。新オフィスの所在地を管轄する消防署に選任届と講習を修了していることを証明する書類を一緒に提出します。

オフィス移転のやることは抜け漏れがないように

オフィス移転の際にはやることがたくさんあり、通常業務を続けながらオフィス移転の作業を進めていくのは非常に大変なことです。


事前にやることを把握し、しっかりスケジュールを立て、抜け漏れがないように一つずつ確実に進めていくようにしましょう。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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