倉庫オフィスへのリノベーションのポイント5つ|メリットや必要な工事についても解説

平井 瑛(Ei Hirai)

目次

  1. 倉庫をオフィスにリノベーションすることは可能なのか
  2. 倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由3つ
  3. 倉庫オフィスのメリット5つ
  4. 倉庫オフィスへのリノベーションのポイント5つ
  5. 倉庫オフィスにするときに必要な工事5つ
  6. 倉庫をリノベーションして魅力的なオフィスにしよう

倉庫をオフィスにリノベーションすることは可能なのか

倉庫オフィスとは、リノベーションした元倉庫を利用したオフィスです。オフィスと倉庫はレイアウトも構造も機能性もかけ離れているように見えますが、実際にリノベーションを実施し、オフィスとして利用されている元倉庫はたくさんあります。


それでは以下に、倉庫オフィスが誕生した理由やメリットなどをご紹介します。理解を深め、イメージを膨らませるためのご参考にしてください。

倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由3つ

倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由は、主に3つあると言われています。以下で説明しますので、ぜひ読んでみて下さい。

1:東京を中心とした不動産ファンド投資が増えた

倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由1つ目は、東京を中心とした不動産ファンド投資が増えたことです。


不動産ファンドなどが東京を中心に投資を行い、メガ倉庫(超大型倉庫)の建設を活発化しました。それにより、物流会社の多くは従来規模の倉庫からメガ倉庫に移転したと言われています。

2:メガ倉庫の建設の普及

倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由2つ目は、メガ倉庫(超大型倉庫)建設の普及です。メガ倉庫の建設が活発化したことで、多くの物流会社がこれまでの中小規模倉庫から離れていきました。


その影響で空きが増えてしまった中小規模の倉庫ですが、倉庫も物件および不動産ですので、空き状態が続くと損失につながる可能性があります。そこで、リノベーションを行い、物品の保管など従来の倉庫としての用途以外にも利用する流れが起きたと言われています。

3:オフィス環境の多様化

倉庫オフィスへのリノベーションが生まれた理由3つ目は、オフィス環境の多様化です。


自由に席を選んで仕事ができるフリーアドレスや、在宅業務をメインとするリモートワークなど、働き方は多様化しています。その変化に合わせるため、オフィス環境も作り変える必要性が出てきました。


社員が働きやすいと感じるためには、環境の快適さと効率の良さが必要です。近年注目されているのは、フリーアドレスのような自由席制の在り方や、広々とした空間で家具を自由に配置するオフィスランドスケープです。


倉庫オフィスはこれらに対応できるものとして、注目度が高まりました。

倉庫オフィスのメリット5つ

倉庫オフィスのメリットは、主に室内空間や費用面にあります。以下で説明しますので、倉庫オフィスを検討する際のご参考にしてください。

1:広いスペースがとれる

倉庫オフィスのメリット1つ目は、広々としたスペースがとれることです。


物品をたくさん保管したり、保管した物品・荷物を運搬する倉庫では、フォークリフトが数台同時に作業可能なスペースが設けられたりしています。そのため、オフィスとしても十分な広さを確保することができます。


天井までの高さも一般的なオフィスより数メートル高いため、余裕があって解放感のある室内となります。倉庫によっては、全体を見渡すと広すぎると感じられるくらい広々としていることもあります。


オープンスタイルのオフィスレイアウトを導入したい企業には、好ましい物件となるでしょう。

2:独特の雰囲気やデザインが魅力

倉庫オフィスのメリット2つ目は、独特の雰囲気やデザインが魅力になることです。広さや高さに特徴がある倉庫ですが、床や壁などにみられるデザインも独特なものがあります。この独特なデザインが他と違う雰囲気を醸し、個性的でシンプルな空間を演出します。

3:レイアウト設定の自由度がある

倉庫オフィスのメリット3つ目は、レイアウト設定の自由度があることです。基本的に倉庫は住居やオフィス物件のように部屋を区切る必要がないため、構造がシンプルで、隔てるものがない広い空間が広がっています。


そのため、間取りも家具配置も自由に決めることができます。部屋を複数設ける場合には、利用目的に応じて自由に部屋配置が行えます。倉庫は天井が高い物件も多いため、広さだけでなく高さ的にも開放的なオフィスづくりが可能です。

4:物件の価格が安価である

倉庫オフィスのメリット4つ目は、物件の価格が安価であることです。倉庫は建設にあたり人が生活に利用するための設備を要さないため、住宅やオフィス物件よりも安価で出されていることが多い傾向にあります。


物件費で浮いた分のお金は、リノベーション工事に回すと良いでしょう。物件そのものにかかる費用を抑えることで、理想的な室内空間を実現できる可能性が高まります。

5:解体費用がかからない

倉庫オフィスのメリット5つ目は、解体費用がかからないことです。基本的に壁や装飾が少ないため、解体費用も抑えることができます。


新しくオフィスを作るにあたっては、物件内の物や壁などを片付ける必要があります。倉庫オフィスは住居・オフィス用・テナントの物件よりも設置されているものが少なく、配置される家具も多くないことから、解体費用が安く抑えられるのです。

倉庫オフィスへのリノベーションのポイント5つ

倉庫オフィスへのリノベーションを行う時には、より良くするためのポイントがあります。主なポイント5つを紹介しますので、ぜひ読んで参考にしてみてください。

1:おしゃれな空間を演出する

倉庫オフィスにリノベーションする際のポイント1つ目は、おしゃれな空間を演出することです。おしゃれな空間は、社員に良いインスピレーションを与えると言われています。


倉庫オフィスに関しては、コンクリート質の壁をそのまま使うことでクールな印象になり、その無機質な印象から非日常の刺激を得られると考えられています。


仕事を行う場所にも普通とは違う独特な個性を取り入れることで、社員の効率性やモチベーションを向上させることができます。

2:ロフトスペースを作る

倉庫オフィスにリノベーションする際のポイント2つ目は、ロフトスペースを作ることです。倉庫はたくさんの物品を保管するために天井が高く設計されているため、天井と床面の間にロフトスペースを設けることができます。


オフィスに作られたロフトスペースは、ミーティングスペース・コミュニケーションスペース・来客用のスペースとして用いられることが多いです。多様な使い方ができるため、構造面や費用的に施工が可能であれば検討してみましょう。

3:断熱材を使う

倉庫オフィスにリノベーションする際のポイント3つ目は、断熱材を使うことです。


築年数が古い倉庫には、壁部に断熱材が入っていないことが多いとされます。また、設備や内装の撤去が完了済みのスケルトン物件は壁がむき出しなので、断熱材も片付け済みになっていることが多いです。


断熱材は室内の温度や、空気状態を整えるために必要な部材です。リノベーションを行う倉庫に断熱材があるかを確かめ、ない場合には設置を行いましょう。また、あったとしても劣化している可能性があるため、確認した上で取り換えることを検討しましょう。

4:共用スペースとして利用する

倉庫オフィスにリノベーションする際のポイント4つ目は、共用スペースとして利用することです。他業種の人たちが同じ空間で作業を行うコワーキングスペースとして、倉庫オフィスが用いられることも増えています。


倉庫オフィスというだけで特徴があり、十分な売りにはなりますが、利用者側にとって非常に重要になるのは実質的な環境の良さです。デザイン性・レイアウト・換気性などの機能性など、全般的に良い環境を提供できるか否かは、提供側と会社・事業主にかかっています。


倉庫オフィスとして用いられる倉庫物件には、木造からコンクリートまでさまざまな素材があります。物件探しをする時は、事前にある程度の実現したいイメージとコンセプトを考えてから、それに合う物件を探してみると良いでしょう。

特殊建築物扱いに注意

倉庫をオフィスにリノベーションすることは可能ですが、用途によっては用途変更の申請が必要になります。申請が必要になるのは、床面積200平方メートル以上で、店舗・体育館・病院・劇場・展示場・スポーツ練習場・公衆浴場・旅館・工場などに変更する場合です。


倉庫から上記のような特殊建築物に該当する用途に変える場合には、建築士が用途変更確認申請の手続きを行う必要があります。また、消防署に対して、防火対象物(建物)使用開始届出書を提出することも必要になります。

5:物流倉庫との兼用もあり

倉庫オフィスにリノベーションする際のポイント5つ目は、物流倉庫との兼用も視野に含めることです。近年は、物品を保管する物流倉庫と、クリーンでおしゃれなオフィスを兼用する建設物が増加傾向にあります。


製品販売を収益とする企業では、保管場所の倉庫は近くにあることで、新しいアイデアが生まれやすくなると言われています。また、ベンチャー企業の先進国であるアメリカでは以前から倉庫がビジネスの拠点になると言われており、その事例になる企業も多く存在しています。

倉庫オフィスにするときに必要な工事5つ

倉庫オフィスにする時には、倉庫とオフィスの機能的な違いに考慮した工事が必要になります。以下で説明しますので、ぜひ読んで、リノベーションする際のご参考にしてください。

1:電気関連

倉庫オフィスにする時に必要な工事1つ目は、電気関連です。倉庫にも電気系統が設備されていることはありますが、オフィスとして使用するにはコンセントなどの数が足りません。そのため、倉庫オフィスにリノベーションする時には、電気関連の工事が必要になります。


電気関連の工事は、床や壁などを一旦はがして行うことが多いです。工事にあたり必要な解体と電気設備の設置を別会社に依頼することもできますが、全てを一貫して行える会社に依頼する方が費用は安く抑えられる可能性があります。

2:空調システム関連

倉庫オフィスにする時に必要な工事2つ目は、空調システム関連です。建物内の空調設備は、用途により異なります。人が出入りしたり、長時間滞在する可能性が高い場所では、安全と快適度を維持するために相応の空調システムが必要になったります。


倉庫はもともと人が滞在する予定はなく、多くの人が集まる目的もありません。そのため、オフィスに必要な空調システムは有していないことが多いです。リノベーションするにあたり、オフィス環境に必要な空調システムを適した配置で設置しましょう。

3:セキュリティ対策

倉庫オフィスにする時に必要な工事3つ目は、セキュリティ対策です。倉庫は防音性能が一般住宅よりも低いことが多いため、社内情報が生じるオフィスにリノベーションする時には、相応のセキュリティ対策にも目を向ける必要があります。


セキュリティ対策の工事としては、主に盗聴や情報窃盗を防ぐための内壁工事などが行われます。来訪者が訪れる機会があるオフィスでは、プライバシーの保護が重要になります。外部に個人や会社の情報が漏れ出ないよう、セキュリティ面も忘れず対策を行うようにしましょう。

4:断熱・防音・耐震対策

倉庫オフィスにする時に必要な工事4つ目は、断熱・防音・耐震対策です。もともと住宅用ではない倉庫は、人が過ごす上での断熱機能や気密性に欠けている場合がよくあります。そのため、断熱機能を付加するリフォームや防音対策が必要です。


また、倉庫は物品保管の用途が多いため、直射日光による品質劣化の防止策で窓が少ない・小さいというケースもよくみられます。この場合は窓の増設が必要ですが、むやみに増設すると建物の耐震性が損なわれるため、構造計算に対応できる建築士がいる会社に相談してみましょう。

5:水回り関連

倉庫オフィスにする時に必要な工事5つ目は、水回り関連です。倉庫は居住空間用に造られた建設物ではないため、水道設備は付いていないことが多いとされます。事前に確認し、設備がない時には水回り関連の工事も行いましょう。


水道や電気の他、ガス設備もないことがほとんどです。温かいお湯などを使いたい場合には、水道設備に加えてガス工事も必要となります。倉庫オフィスにリノベーションする時には、事前に使う設備の把握と、すでに物件内にある設備の種類を確認することが大事です。

倉庫をリノベーションして魅力的なオフィスにしよう

もともと物品を保管する目的で建設された倉庫が、今やオフィスになる時代です。倉庫の特徴を生かしたリノベーションを行い、個性的でおしゃれな空間や、広々とした環境を実現する企業も増えています。倉庫を素敵に作り変え、魅力的なオフィスを実現しましょう。

監修

執筆者
平井 瑛(Ei Hirai)
経歴
東京大学経済学部卒業後、三菱地所入社。三菱地所の海外事業、オフィスビル賃貸営業を経て、2018年12月にestieを共同創業。 estieでは代表取締役として不動産業界に関わる深い知識から様々なサービス開発に関わる。趣味は靴磨きで、社員の靴までも磨く。 【執筆】『ビジネスイノベーションスペースの新たな潮流とその経済価値』(一般財団法人日本不動産研究所 不動産研究第61巻第1号 特集;シェアリングエコノミーと不動産市場)
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