オフィス移転は大変?オフィス移転をする際に知っておきたい7つの注意点

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. オフィス移転は大変?
  2. オフィス移転を決定するまでの注意点
  3. オフィス移転の際の5つの注意点
  4. オフィス移転はアウトソーシングするのも1つの手段
  5. オフィス移転には注意点がたくさんある

オフィス移転は大変?

オフィスの移転が決定すると通常業務に加えて移転作業が発生するため、一時的に忙しくなります。


タスク作業は増えますが、これまで以上に働きやすくなる環境を作り出す絶好のチャンスです。
今回はオフィスの移転に伴う流れや注意点等をご紹介します。

オフィス移転を決定するまでの注意点

「移転の必要があるのか」目的を明確化にすることが大切です。


まずは「移転の目的」を明確化にすることです。具体的に今のオフィスで不都合になっていることや課題になっていることがあれば、問題点を洗い出し、新オフィスで改善できることなのか計画を練りましょう。


具体例がないと、新たな移転先の事務所の規模や場所選びなどに苦労してしまう可能性があります。現状の課題と、その改善に向けて新オフィスを探すことをオススメします。

1:移転の目的設定を明確にする

現状のオフィスで課題となっていることを洗い出しましょう。


オフィス移転は膨大な費用がかかるほか、従業員のタスクも増えるため、一時的に労務負荷が発生します。目的を誤ってしまうと新オフィスへの満足度も得られなくなってしまいます。そうならないためにも目的や現状の課題を明確化しましょう。


オフィス移転の結果では従業員のモチベーションを上げる、仕事の効率化を図るきっかけにもつながり、従業員全員が気持ちよく働ける職場環境の見直しにもなります。

2:移転先のオフィスを検討する

移転の目的が明確化されたら条件に合う物件の情報収集を始めましょう。


現状の悩みが解消でき、目的が果たせる物件か、従業員が通勤しやすい立地かどうかを検討しながら実際に物件を検討しましょう。


インターネットからも賃貸オフィスの検索は可能ですが、不動産会社へ相談し、あらかじめ希望や条件を伝えておくと希望に近い物件を紹介してくれる可能性が高まります。

オフィス移転の際の5つの注意点

移転先のオフィスが決まったら、現オフィスの解約手続き、新オフィスのレイアウトや引っ越し等までの流れをご紹介します。


移転までの間、通常業務に加えタスクが増えるため、一人一人の担当を割り当てるのも手です。オフィス移転について必要なことをご紹介します。

1:現オフィスの解約手続き

オフィスビルを退去する場合、ビル管理会社やビルオーナーへ解約通知を行います。


規定では解約の3~6ヵ月前までにビル管理会社やビルオーナーへ解約通知するよう義務付けられています。トラブルにならないためにも、退去の場合いつまで報告すべきか契約書を見返し、早めに伝えるようにしましょう。


また、現オフィスへ入居した際に大規模な改装工事がされていると、原状回復工事の費用も大幅にかかる可能性があります。こちらは事前に見積をもらい、予算に入れておくと安心です。


現オフィスを退去する際には、責任者の立会いが求められます。原状回復ができているか、荷物の置き忘れがないか、という点です。しっかり見直しましょう。

2:新オフィスのレイアウト・デザインの策定

移転先のオフィスのレイアウトやデザインを決めていきます。


新オフィスの図面を元に内装業者や電気会社の選定も行います。見積を確認しながらどの業者に任せるかを検討していきます。


実際に業者が決定したら、オフィス内のレイアウトだけでなく共用部分やエントランス、セキュリティについても打ち合わせをしましょう。また、オフィス家具や什器等は現状の物を使うのか、移転を機に変更するかどうかも予算と相談しながら検討します。


専門業者の意見を参考にしながら、従業員の意見も取り入れられると良いです。場所や環境が一段と良くなると作業効率も上がります。あらかじめ従業員の意見も参考にしましょう。

3:社内での移転の周知

オフィスの移転を従業員に周知します。


従業員へは「移転の目的」と「移転に伴う就業ルール」を周知しなければなりません。目的を理解してもらえないとわざわざ移転しても課題解決につながらない場合があります。


従業員一人一人が通勤イメージができるかどうか、移転の目的に理解を示してくれるのか、一方的な事後報告にならないよう注意しましょう。


また、通勤交通費がどのくらい変わるかシミュレーションしましょう。

4:関係先への移転通知

取引先への連絡や挨拶の準備を行います。


取引先への請求書類や契約書類等の変更作業に、企業によっては時間がかかる場合があります。遅くとも移転の1ヵ月前までには挨拶状の送付、3ヵ月前までには挨拶状のデザインの決定や送付先リストを作成すると安心です。


ここで注意したいのが、取引している顧客だけでなく、取引のある金融機関、各種加入団体、備品等のリース会社、業務委託先など通知先は様々です。漏れがないようきちんとリストを作成しましょう。


またその他にも、社判や名刺、伝票や会社HPなど、外部へ会社住所を記載しているもの全て変更することになります。こちらも漏れがないようリスト化しましょう。

5:各種手続き関連

オフィス移転後は役所や保険会社へ書面の提出が必要です。


各種提出書類は以下の通りになります。


ほとんどの提出書類が移転後数日~1ヵ月以内と定められているため、あらかじめ必要書類の準備をしておくと便利です。期日に間に合うよう注意しながら書類の確認をしましょう。

<法務局>

書類の概要提出期限
本店移転の場合「本店移転登記申請書」を移転前の管轄法務局へ申請する移転日から2週間前
支店移転の場合「支店移転登記申請書」を移転前の管轄法務局へ提出する移転日から2週間以内に登記後、移転日から3週間以内に登記同一・類似照合の調査

<税務署>

書類の概要提出期限
事業年度や納税地、資本金額などの「異動届出書」を移転前及び移転後の管轄税務署へ届出する移転後
「給与支払い事業所等の開設・移転・廃止届出書」を移転前及び移転後の管轄税務署へ届出する移転日から1ヵ月以内

<都道府県税事務所>

書類の概要提出期限
移転前及び移転後の管轄税務署で「事業開始等申請書」の手続き後、提出する移転日から10日以内

<社会保険事務所>

書類の概要提出期限
「適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」を移転前の所轄社会保険事務所に提出する移転日から5日以内

<労働基準監督署>

書類の概要提出期限
同一所轄内での移転の場合は「労働保険名称・所在地等変更届」をその他の所轄監督所へ提出する ※同県内での移転の場合は新所轄監督署、県内での移転の場合は移転前の所轄監督署に廃止届出を提出する移転日から10日以内
同一所轄内での移転の場合は「労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書」をその他の所轄監督署に提出する  ※同県内での移転の場合は新所轄監督署、県内での移転の場合は移転の場合は移転前の所轄監督署に廃止届出を提出する移転の翌日から50日以内
同一所轄内での移転の場合は「労働保険関係成立届」をその他の所轄監督所へ提出する  ※同県内での移転の場合は新所轄監督署、県内での移転の場合は移転前の所轄監督署へ廃止届出を提出する保険成立から10日以内

<公共職業安定所(ハローワーク)>

書類の概要提出期限
新しいオフィス所在地所轄の公共職業安定所で「雇用保険事業主事業所各種変更届」の手続き後、提出する移転日から10日以内

<郵便局>

書類の概要提出期限
「転居届」を移転前の所轄郵便局に提出する移転先が決まった時

<消防署>

書類の概要提出期限
防火管理者を変更する場合は、「防火管理者専任届」を新しいオフィスの所轄消防署へ提出する移転後

<警察署>

書類の概要提出期限
社用車がある場合は「自動車保管場所証明申請書」を新しいオフィスの所轄警察署へ提出する移転時

オフィス移転はアウトソーシングするのも1つの手段

オフィス移転を代行して一括で行ってくれる専門会社へアウトソーシングすることも方法の1つです。


オフィス移転を自力で全て行うとなると、工事会社や引越し業者の選定から手配、法律上必要書類の準備等、膨大な作業に追われますし、注意点も多数出てきます。また、通常業務に移転作業のタスクが増えるため、従業員にとっては負担となってしまいます。


専門業者へアウトソーシングすることで、従業員の負担は軽くなりますし、スムーズなオフィス移転が可能になります。ただし、自分たちで行うよりも費用がかかるので、予算内に収まるかどうか検討しましょう。

オフィス移転には注意点がたくさんある

オフィス移転は一般家庭の引越しとは違って注意点が多数あります。


「旧オフィスの退去作業」「新しいオフィスの選定」「引越し後のオフィス整備」これらを同時に行うため、移転準備から移転後までの間は大変な作業です。また、法律の絡みなど注意する点もたくさんあり、通常業務と並行して行うことは労力がかかります。


オフィス移転をサポートしてくれる専門会社と相談しながら進めることも、費用対効果を見込めることもあるでしょう。上手に使いながらオフィス移転を成功させましょう。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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