オフィス移転の流れ10ステップ紹介|スムーズな移転には計画性が重要

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. オフィス移転とは
  2. オフィス移転の流れ10ステップ
  3. オフィス移転の際に気をつけること4選
  4. オフィス移転は計画性をもって進めよう

オフィス移転とは

抱えている課題を解決したり、事業を拡大したりなど、いろいろな目的によって企業はオフィス移転を決断します。


それらの理由は基本的に企業としての転換期となることも多く、住宅のように気軽な気持ちでオフィス移転を行うことができません。また、オフィス移転では住宅の引っ越しとは異なり、やるべきこと、知っておくべきことも多くあります。


トラブルなく、スムーズなオフィス移転をするためにも、それらを事前に把握しておきましょう。

やるべきことをリストアップして計画する

オフィス移転では旧オフィス側と新オフィス側で手続きや引っ越しの作業でやるべきことが多くあり、それらの中には内容が非常に複雑なものもあります。


そのため、スムーズなオフィス移転をするためには、やるべきことをリストアップして、漏れをなくすようにしましょう。また、リストアップしたことは、どれを、いつまでに行わなければいけないのか、計画を立てるようにしましょう。

オフィス移転の流れ10ステップ

オフィス移転は企業の転換期に行うことが多く、その重要性は高いです。そのため、オフィス移転は計画を立て、何ヶ月も前から準備を行って、失敗のないようにする必要があります。


また、オフィス移転を成功させるためにも、その流れはしっかりと把握しておくようにしましょう。

1:目的や計画設定をする

オフィス移転をする際には、オフィスを移転させるための目的があるはずです。まずはその目的を明確にしておきましょう。


目的を明確にすることで、新しいオフィスはどこに、いつ、どのようなものが必要であるかなどの物件の条件を判断できるようになります。また、原状回復工事や解約予告期間の確認など、旧オフィスを明け渡しするために必要なことも洗い出しておきましょう。


オフィス移転の計画を立案するためにも、これらやるべきことの把握と目的は必要となります。

2:移転スケジュールをつくる

まだ業者や物件の選定などができていないので、具体的な移転スケジュールを立てることはできません。


しかし、オフィス移転の目的やオフィス移転のためにやるべきことを把握できれば、いつまでに物件を決定するべきか、原状回復工事にはどのくらいの期間が必要となるか調べるなどすることで、おおよその移転スケジュールを立てることができます。

3:オフィスプランニングをする

新オフィスを選定するためには、新オフィスにはどのような条件を求めるべきかオフィスプランニングを行います。オフィスプランニングでは主にオフィスレイアウトを決めます。


どのようなオフィスレイアウトであれば作業効率を高められるゾーニングができるのか、動線はセキュリティや避難通路を確保できるか、パーティションでのゾーニングは必要かなどを決めましょう。


新しいオフィスレイアウトでは、現状のオフィスレイアウトよりも作業効率や社内のコミュニケーションが低下するような設計は避ける必要があります。

4:現在のオフィスの解約や原状回復について確認する

オフィス移転をするのであれば、旧オフィスの賃貸契約の内容についてまず確認する必要があります。賃貸契約では解約通知がいつまでに必要か、原状回復工事はどこまでの範囲で必要となるかなどを確認します。


もし、解約通知が退去の6ヶ月前までに行うとなっていれば、6ヶ月以上前にオーナーやビル管理会社に解約を希望することを伝えないといけません。


解約通知が遅れてしまうと、オフィス移転のタイミングに解約が間に合わず、無駄に新旧のオフィス両方の賃料が発生してしまうことになります。


また、オフィスの原状回復工事の範囲は住宅の場合と比べると広くなっています。そのため、どこまで工事が必要か必ず確認しておきましょう。原状回復が不十分であれば後にトラブルの原因となってしまうこともあります。

5:新しいオフィスの物件を検討する

オフィス移転の目的や、オフィスプランニングでオフィスレイアウトができていれば、その条件を満たすことのできる新オフィスを探しましょう。


新オフィスを探す際には、立地や面積、予算、設備などを主な条件にして探すことになります。また、作成したオフィスレイアウトが実現できるかも重要です。


そのため、必要な広さが確保できているか、照明や空調、点検口などの配置でパーティションが付けられないということがないかなど、物件の内覧時にはよく確認する必要があります。


さらに、賃料や共益費のような表面上のコストだけを確認するのではなく、光熱費がどれくらいかかりそうか、更新料や償却、礼金などの有無、新オフィスとして使うための工事費用など、総合的に判断しましょう。

6:業者を選んで依頼する

新オフィスが決まり、賃貸借契約を結び、賃貸借期間の開始日となれば新オフィスの入居工事を行うことができるようになります。併せて、旧オフィスの原状回復工事も進めなければなりません。


賃貸借期間の開始日から賃料は発生するので、それまでに業者を選んで依頼する必要があります。新オフィスにはどのような工事が必要になるかによって、頼むべき業者が変わってきます。


また、業者によって費用や得意分野、請け負える工事の範囲なども異なるので、オフィスプランニングに沿って、必要な条件を確認し、適切な業者を選ぶことが必要です。

7:必要什器などを確認し用意する

オフィス移転をする際には、オフィスにあるデスクや家電、棚など、どれを新オフィスに持って行き、どれを処分して、何を新しく購入するのか確認しておきましょう。


また、不用品の中には家電や重要書類などのように簡単に処分できない物もあるので、正しい処分方法を確認します。さらに、新しく購入する物は新オフィスの合ったサイズの物であるか、慎重に判断しましょう。


これらの準備は新オフィスの入居工事が終わってからや、旧オフィスの原状回復工事を始める前に済ませておく必要があります。そのため、業者と相談して、しっかりとスケジュールを確認しながら行いましょう。

8:オフィス内で移転準備を進める

旧オフィスから新オフィスに持っていく物が決まり、オフィス移転できる状態が近づいてくれば、業務に差し支えのない物から梱包を行い、移転の準備を進めていきます。


やるべきことは荷物を移動することなので住宅の引っ越しと変わりはありませんが、オフィスには物が多かったり、紛失させてはいけない重要な物が多くあります。


そのため、移転準備は社内で協力して、誰が、何を管理するか、社内でその情報を共有できるように役割分担を決めて行うようにしましょう。


また、オフィスレイアウトと荷物に番号を振っておけば、どこに何を置くべきかすぐにわかるので、移転作業がスムーズになります。

9:実際に引っ越しをする

すべての準備が整えば、実際に引っ越しをします。引っ越し業者にすべて任せるという場合もありますが、自分たちで行う場合には搬出はダンボールが先で、什器類は後にしましょう。なお、搬入の場合は逆に什器類が先でダンボール類が後になります。


また、引っ越しは速やかに終わらせて業務を再開する必要があるので、まず仕事に必要な物から順に取り出していくようにし、環境を整えるようにしましょう。

10:届出など必要な処理をする

オフィス移転をする場合には、オフィス移転前とオフィス移転後にいろいろな届出、手続きをする必要があります。


オフィス移転前には電話やプロバイダ、リース物件、工事作業、郵便物の転送などの手続きや届出が必要となります。


オフィス移転後には法務局や税務署、社会保険事務所、労働基準監督署、消防署などに各種届出や手続きが必要となります。


また、細かい部分では名刺やサイトなどの住所を直したり、関係者への挨拶状の手配、新しい住所の会社のゴム印の作成などがあります。


これらはそれぞれ行うべきタイミングがあるので、事前にどのような届出が必要で、いつまでに済ませないといけないのか、しっかりと把握しておき、移転スケジュールに組み込んでおきましょう。

オフィス移転の際に気をつけること4選

オフィス移転は何度も経験することではないので、そのノウハウを持った企業は少ないです。しかし、オフィス移転は失敗をすることができない重要なことです。そのため、オフィス移転をする際の注意点は事前に把握しておくようにしましょう。

1:新オフィスのレイアウトを明確に決める

オフィスの移転をする場合は、オフィスプランニングで新オフィスのレイアウトを明確に決めておきましょう。


レイアウトが決まっていれば、どのような物件を探すべきか条件を絞ることができます。また、レイアウトが決まっていれば引っ越し作業がスムーズに行えます。


そのため、新オフィスのレイアウトを決めることで、オフィス移転の効率を上げることができるでしょう。

2:依頼する業者を漏れなく把握する

オフィス移転をする場合には、旧オフィスの原状回復工事と、新オフィスの入居工事が必要になります。その工事の範囲は広いのでいろいろな業者に依頼をすることになります。


もし、必要な工事ができていなければ、オフィス移転ができないということになる可能性もあるので、どのような業者が必要となるか把握しておきましょう。


また、オフィス移転業者に依頼していて、工事も任せているという場合でもその工事内容は把握しておきましょう。


ただし、契約内容によってはその業者が指定されていることがあり、その場合は自由に業者が選べるわけではないので、事前に確認しておく必要があります。

3:期間を意識してスケジュールを組む

オフィスの移転では原状回復工事と入居工事を行います。これらは1日で済むようなものではありません。


オフィスを移転する際には多くの届出や手続きをする必要があり、それらはそれぞれタイミングが異なります。また、他にやるべきことも非常に多くあります。


そのため、オフィス移転ではいつまでに、何をしないといけないのか、いろいろな期間や期限に注意しながらスケジュールを組む必要があるでしょう。

4:不用品の処分まで忘れずに行う

オフィス移転では旧オフィスから新オフィスへ持って行かずに処分する物も多くあります。多くの物は不用品回収業者に処分を任せることができたり、引っ越し業者が引き取ってくれたりなどするでしょう。


しかし、その処分する物の中には、パソコンや重要書類などのような処分方法に注意が必要な物もあります。


これらの処分法を誤ってしまうと大きなリスクを抱えることになります。そのため、不用品はしっかりと処分するようにしましょう。

オフィス移転は計画性をもって進めよう

オフィス移転をするためには工事や手続き、準備など、多くのことが必要になります。そのため、オフィス移転は複雑です。


しかし、オフィス移転を失敗することはできないので、オフィス移転をする際には、しっかりと計画を立てて、スムーズな移転を成功させるようにしましょう。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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