事務所移転のプランニングの流れ4つ|移転前や移転後にするべきことも紹介

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. 事務所移転はいつから始めたらいい?
  2. 事務所移転前にすること6つ
  3. 事務所移転のプランニングの流れ4つ
  4. 事務所移転後にするべき手続き5つ
  5. 事務所移転の注意点3つ
  6. 事務所移転は余裕をもった事前準備と明確なプランニングが必要

事務所移転はいつから始めたらいい?

事務所の移転を考え始めたとき、どの時期から移転の検討をしていけばいいのでしょう。


移転をしたいからといっても、思いついてすぐに移転できるわけではありません。どのような立地を選べばいいのか、どのような内装にしたいのかなど移転に関わる業務は膨大にあります。


どのようなことをしていかなければならないのか、どれくらいの期間が必要なのかを考慮しながら移転日と準備期間を決めていきましょう。

事務所移転前にすること6つ

事務所の移転が決定すれば、移転までに複数のタスクをこなしていかなければなりません。では、事務所移転前には何をしなければいけないのでしょう。


事務所移転前にすること6つを見ていきましょう。

事務所移転前にすること1:解約通知を出す

事務所移転前にすること1つ目は、解約通知を出すことです。


解約通知を出すときには、契約書に記載された解約予告期間を調べることから始めます。解約予告期間に記されている期間から逆算して、今後の事務所移転のプランニングを立てていきましょう。


また、事務所を移転する際には、オーナーとビルの管理会社それぞれに解約通知を出す必要があり、その際、敷金や委託金の返金時期など、事前に確認を取るようにしましょう。

事務所移転前にすること2:原状回復にかかる費用・期間の把握

事務所移転前にすること2つ目は、原状回復にかかる費用と期間の把握をすることです。


事務所移転前には原状回復が必要なため、業者に工事の依頼をすることになります。原状回復の工事は明け渡し期日までに終了しなければならないため、明け渡しの期日に合わせたスケジュールで行わなければなりません。


業者に依頼する際には、工事の期日や費用をしっかりと把握しておくようにしましょう。

事務所移転前にすること3:新オフィスの内装レイアウト

事務所移転前にすること3つ目は、新オフィスの内装レイアウトです。


新オフィスが決定すれば、新オフィスの内装レイアウトを考えていきます。部署ごとにどれくらいのスペースが必要なのか、エントランスや会議室などをどこに配置するのかなど、専門家の意見も交えながらレイアウトを考えていきましょう。


最終的には、移転計画に沿ったレイアウトになっているのか確認を忘れないようにしましょう。

事務所移転前にすること4:電話やインターネット回線の手配

事務所移転前にすること4つ目は、電話やインターネット回線の手配をすることです。


電話やインターネット回線は、毎日の業務に欠かすことができないため、オフィスを移転した後にトラブルが起こらないように手配する必要があります。特に、電話回線工事や設置など、業者に依頼する際の手配ミスに注意しておきます。


電話やインターネット回線の契約をしっかりと把握して、移転後もスムーズに使用できるようにしておきましょう。

事務所移転前にすること5:移転案内の作成・お知らせ

事務所移転前にすること5つ目は、移転案内の作成とお知らせをすることです。


新オフィスに移転してからも請求書などがきちんと届くようにするためにも、移転案内の作成とお知らせは忘れてはいけないことです。そのため、事務所を移転する1ヶ月前には移転の案内が届くようにしておきましょう。


また、送る相手のリストアップや印刷業者への発注など移転案内を送るまでの準備も考えて、2ヶ月前には準備をし始めましょう。

事務所移転前にすること6:警察署・消防署の届け出

事務所移転前にすること6つ目は、警察署・消防署の届け出を行うことです。


移転に伴って社用車も移動する場合は警察署に「車庫証明」を、消防署に「防火対象物使用開始届出書」と、内装工事を伴う場合は「防火対象物工事等計画届出書」を届け出なければなりません。


特に、「防火対象物使用開始届出書」と「防火対象物工事等計画届出書」は提出期限があるため、事務所移転前にしっかりと準備して忘れないように注意しましょう。

事務所移転のプランニングの流れ4つ

事務所の移転に関わる業務はたくさんあり、どこから手を付ければいいのか悩んでしまうということもあるでしょう。


事務所移転はプランニングを立てることでスムーズに行うことができますが、どのようにプランニングを立てていくとよいのでしょうか。ここでは、プランニングの流れについて見ていきます。

事務所移転のプランニングの流れ1:移転準備は半年前から始める

1つ目は、移転準備は半年前から始めることです。なぜ半年前から準備を始めなければならないのでしょう。


事務所移転を決めたなら、まず旧オフィスの解約通知をビルの管理会社とオーナーに出すことになりますが、解約通知はいつ出してもよいというわけではありません。一般的に、退去する日の6ヶ月前には解約通知を出さなければなりません。


移転準備は半年前から、しっかりとプランニングを立てていきましょう。

事務所移転のプランニングの流れ2:移転する目的を明確にする

2つ目は、移転する目的を明確にすることです。


立地の良い場所に移転したい、従業員の人数が増えてきたから広いオフィスに移りたいなど、事務所移転の目的を明確にしていきましょう。そうすることで優先すべき条件を絞ることができます。


立地の良い場所なら条件に合った物件を探す、広いオフィスを求めるなら今のオフィスよりも広い所をなど、移転の目的を明確にして優先順位を付けていきましょう。

事務所移転のプランニングの流れ3:駅チカなど周辺環境の希望条件を絞る

3つ目は、駅チカなど周辺環境の希望条件を絞ることです。


新オフィスを探すときには、周辺環境も確認していくことになります。その際、どのような環境が必要なのかなど希望条件を絞っていくことが大切です。


駅から近い物件を探しているのか、普段の業務で使う銀行などの施設が近いことを優先するのかなど、自社が希望している周辺環境を絞っていきましょう。

事務所移転のプランニングの流れ4:具体的なスケジュールを決める

4つ目は、具体的なスケジュールを決めることです。


スケジュールを決めずに事務所移転を進めてしまうと、期限内に事務所を移転できないなどのトラブルに繋がります。また、しなければいけないことを後になって気付き、移転が期限ギリギリになる可能性もあります。


事務所移転を行うときには、旧オフィスを退去する日から逆算して、どの時期にどのようなことをするのかを細かくスケジューリングしていきましょう。

事務所移転後にするべき手続き5つ

事務所を移転した後、すぐに業務を始めてしまえばよいというわけではありません。事務所移転後にも手続きを行わなければならないことがあります。


では、事務所移転後に行う手続きとは、どのようなものでしょう。事務所移転後にするべき手続き5つを見ていきましょう。

事務所移転後にするべき手続き1:銀行口座やカードの住所変更

事務所移転後にするべき手続き1つ目は、銀行口座やカードの住所変更です。


銀行口座の住所変更は銀行の窓口やオンラインで手続きができるので、事務所移転後速やかに住所変更を行うようにしましょう。また、法人でクレジットカードを契約している場合は、インターネットから住所変更に必要な書類を取り寄せて手続きを行います。


用意する書類などは、銀行やカード会社によって異なるので事前に調べておくといいでしょう。

事務所移転後にするべき手続き2:本店・支店移転登記申請

事務所移転後にするべき手続き2つ目は、本店・支店移転登記申請です。


事務所移転など登記事項に変更があった場合は、登記変更を行うことが決められています。新オフィス所在地管轄の法務局に本店・支店移転登記の申請をしましょう。


なお、本店・支店移転登記申請は移転日から提出期限がそれぞれ決められているので、事前に用意する書類や期限を調べておきましょう。

事務所移転後にするべき手続き3:健康保険や厚生年金保険の所在地変更

事務所移転後にするべき手続き3つ目は、健康保険や厚生年金保険の所在地変更です。


健康保険や厚生年金保険の所在地変更は、移転前の所在地を管轄している年金事務所に、「健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地名称変更(訂正)届」を移転後5日以内に提出する必要があります。


「健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地名称変更(訂正)届」は、移転先の所在地が管轄内か管轄外によって手続きが変わるので注意しましょう。

事務所移転後にするべき手続き4:労働保険の所在地変更

事務所移転後にするべき手続き4つ目は、労働保険の所在地変更です。


事務所を移転した日の翌日から10日以内に、管轄の労働基準監督署に「労働保険名称・所在地等変更届」を提出します。


労働保険の所在地変更は窓口や郵送、電子申請とさまざまな方法で手続きができるので、期限内に忘れず行うようにしましょう。

事務所移転後にするべき手続き5:納税地変更

事務所移転後にするべき手続き5つ目は、納税地変更です。


オフィスを移転して納税地に変更がある場合、移転前の所在地管轄の税務署に「異動事項に関する届出」を提出しなければなりません。


「異動事項に関する届出」の提出は特に期限は設けられていませんが、移転が完了した後早めに出す方がいいでしょう。

事務所移転の注意点3つ

プランニングや手続きなど膨大な作業がある事務所移転ですが、業務の中には特に注意をして行わなければならないことがあります。では、どのような点に注意して業務を進めていけばよいのでしょうか。事務所移転の注意点3つについて見ていきましょう。

事務所移転の注意点1:原状回復工事の範囲を確認する

注意点1つ目は、原状回復工事の範囲を確認することです。


原状回復の範囲はそれぞれで変わってくるため、契約書を確認する必要があります。例えば床などに破損があった場合、全面工事にするのか部分修復でよいのかなどで工事の範囲が変わります。


原状回復工事ができているかできていないかなど、後々トラブルの原因にならないよう、オーナーやビル管理会社で原状回復の範囲を確認してから工事の見積もりを業者に依頼しましょう。

事務所移転の注意点2:チェックリストを作成する

注意点2つ目は、チェックリストを作成することです。事務所移転のチェックリストを作成することで、スケジュールの進捗状況や抜け・漏れを防ぐことができます。


事務所移転の作業は数多くあり、複雑でもあります。スケジュール通りスムーズに進めていけるように、また通常の業務に支障がないよう配慮しながら行っていくためにもチェックリストを作成しておきましょう。

事務所移転の注意点3:業者の選定はしっかりと行う

注意点3つ目は、業者の選定はしっかりと行うことです。


引越しや内装工事など、オフィスの移転ではさまざまな業者に依頼することになります。その際、1つの業者だけではなく複数の業者で見積もりをとって選定をしていくことが大切です。


「安いからこの業者に」というのではなく、どこまで何をしてくれるのかも確認しながら業者を選定していきましょう。

事務所移転は余裕をもった事前準備と明確なプランニングが必要

ここまで事務所移転について見ていきました。


事務所の移転には膨大で複雑な業務があり、早め早めに準備をしていくことが大切です。誰がいつどのような業務を行えばいいのかなど、進捗状況や抜け・漏れを確認できるようにチェックリストを作成して行うようにしていきましょう。


また、事務所移転には期限があるものもあります。事前準備は明確なプランニングで余裕をもって進めていくようにしましょう。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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