オフィスの一人当たり面積の例3つ|一人当たり面積を決める際のポイント

束原 悠吾(Yugo Tsukahara)

目次

  1. オフィスの一人当たり面積はどれくらい?
  2. オフィスの面積と労働生産性の関係
  3. 事務所衛生基準規則における一人当たり面積の規定
  4. オフィスの一人当たり面積の例3つ
  5. オフィスの一人当たり面積を決める際のポイント
  6. オフィスに必要なスペース6選
  7. オフィスの一人当たり面積を考える際に確認すべき寸法4つ
  8. オフィスの一人当たり面積を確保するための工夫3つ
  9. 適正なオフィスの一人当たり面積を確保しよう

オフィスの一人当たり面積はどれくらい?

オフィスの必要面積は、一人当たり面積から算出します。以前は一人当たり3~4坪といわれていました。


最近は柱の少ないビルや、レイアウト効率のよいビルが増えてきているため、一人当たりに必要とされる面積が縮小する傾向もありますが、反対に従業員満足度向上を目的に広くする会社もあります。


業務の内容によってオフィスの使い方も異なりますし、テレワークやフリーアドレスを取り入れている企業も増えているため、オフィス面積は企業によって異なります。オフィスの一人当たりの必要面積の一般的な目安としては、2.5坪~4.5坪程度と考えておくとよいでしょう。

オフィスの面積と労働生産性の関係

オフィスの面積は、従業員の作業効率とコストの両面のバランスを考えて、設定する必要があります。


仕事に必要なスペースを確保していないオフィスでは、従業員の作業効率が下がり、また従業員へのストレスもかかってしまいます。従業員が本来の力を発揮するためには、業務に応じたスペースは不可欠です。


しかし、賃料や冷暖房の効率を考えると、広ければよいというものでもありません。

事務所衛生基準規則における一人当たり面積の規定

オフィス環境は、労働安全衛生法に基づき定められた事務所衛生基準規則によって、気積・換気・温度などの環境管理基準が定められています。一人当たり面積に関する規定としては、気積に関する環境基準として「労働者一人あたり十立法メートル以上」があります。


事務所衛生基準規則で定められた容積10㎥を、一般的なオフィスの天井の高さを2.5メートルで割ると4㎡となります。事務所衛生基準規則の基準から算出した一人当たり面積は4㎡程度を目安としてください。


出典:事務所衛生基準規則 第二章 事務室の環境管理(第二条-第十二条)|中央労働災害防止協会
参照:https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-36-2-0.htm

オフィスの一人当たり面積の例3つ

日本ビルヂング協会連合会が発表したビル実態調査(平成25年版)によると、一人当たりの床面積の平均は、小規模ビルで4.1坪(13.6㎡)、中規模ビルで3.9坪(13.2㎡)、大規模ビルで3.7坪(12.3㎡)でした。


オフィスの一人当たり面積の平均は4坪程度ですが、狭いところでは1~2坪、広いところでは5坪程度のところもあり、業務の内容やオフィスへの考え方によって様々です。オフィスの広さの3つのケースについて、なぜその広さなのか、どのような工夫をしているのかをご紹介します。


出典:日本ビルヂング協会連合会|ビル実態調査(平成25年版)調査結果要旨
参照:http://www.jboma.or.jp/h24_birujittai/#zenkoku

1:一人当たり面積が1~2坪のケース

一人当たり面積が1~2坪となるようなオフィスは、大人数で会議室や休憩室を共有できる、大規模なオフィスに多いですが、他にも様々な工夫を行っています。


フリーアドレス制を取り入れることで、社員の人数分のデスクを用意する必要がなくなり、さらにフレックス勤務制の導入で全社員が同時に出社することもなくなり、スペースを効率的に利用できます。


また、デスクトップ型パソコンからノート型パソコンに変更することで、デスクの幅を削減できます。さらに、ペーパーレス化の推進により書庫が不要となるため、オフィス面積が削減できるのです。

2:一人当たり面積が4~5坪のケース

一人当たり面積が4~5坪のケースでは、従業員の作業効率を上げるためにL字型などのゆったりとしたデスクを採用していたり、管理者が個室を持っていたりするケースが多くなっています。


また、弁護士事務所・会計事務所など、顧客対応を気密性の高い部屋で行う必要がある業務は、会議室の数が多いため一人当たり面積も大きくなる傾向にあります。他にも、多くの書類の保管が必要な場合は、書庫スペースも広く確保する必要があります。

3:一人当たり面積が3坪のケース

オフィスの一人当たり面積が3坪のケースは理想的とされており、目安とされています。


広さとしては、一般的なオフィスをイメージしていただければよいでしょう。ここから充実させたり、削減したりすることになります。

オフィスの一人当たり面積を決める際のポイント

オフィスの一人当たり面積を決める際のポイントは、オフィスレイアウトと従業員数です。オフィスの一人当たり面積を決める際に押さえておきたい、2つのポイントをくわしくご紹介します。

オフィスレイアウトを考える

オフィスレイアウトとは、執務スペース・会議室・休憩室など、オフィスに必要なスペースをどのように配置するかを考えるゾーニング、それぞれのスペースをどのくらいの広さにするか決めるスペース配分、オフィス内移動にかかわる動線の3つの要素があります。


理想的なオフィスレイアウトを考えることで、オフィス全体の面積が決まるため、一人当たり面積を算出できます。

従業員数を考慮する

オフィスの一人当たり面積があって、そこからオフィスの面積を導き出すのが演繹的な算出方法ですが、執務スペースから帰納的に一人当たり面積を決めることもできます。


オフィスの一人当たり面積は、執務スペースの面積を社員数で割った面積ですので、この面積が、妥当かどうか判断するとよいでしょう。

オフィスに必要なスペース6選

オフィスの一人当たり面積を決める際には、従業員一人ひとりの執務スペースだけでなく、エントランス・応接室・会議室・休憩室などの様々な共用スペースも考慮する必要があります。


オフィスレイアウトを検討する際に、押さえておきたい必要スペースを6つご紹介します。

1:ミーティングスペース

ミーティングスペースは、社員が気軽に打ち合わせをしたり、幹部へプレゼンテーションしたりするときに使うものです。


数名で気軽に打ち合わせをするのであれば、オープンスペースに配置し、重要な会議を行う目的であれば、クローズドな会議室が必要となるでしょう。社員数や会議の頻度に応じて、広さや設置数を決めてください。

2:パブリックスペース

パブリックスペースは、受付・ロビー・ショールームのような、外部の人にも開かれたオープンスペースのことです。これらは、企業にとっての顔となる重要な場所ですので、企業イメージをアップできるよう、コンセプト設計から行うことをおすすめします。

3:収納スペース

書類や備品を保管する収納スペースは、社員数が増えるほど必要スペースも増えていきます。必要な収納スペースがないと、整理して収納できず、収納物の出し入れにも不便が生じ、業務の生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。


収納スペースについても必要な面積を把握し、業務の動線を考慮して、利用しやすいよう設計することをおすすめします。

4:機器関連のスペース

機器関連スペースとは、コピー機やFAX機といったOA機器を設置するスペースや、サーバールームなどのことです。


AO機器は業務に必要な台数を確認し、社員にとって使いやすい場所に配置します。サーバールームが必要な場合、セキュリティー面を考えて配置する必要があり、また、サーバーは熱を発するため、空調設備も必要です。

5:福利厚生用のスペース

福利厚生用のスペースには、食堂・休憩室・ロッカールーム・更衣室・パウダールームなどが挙げられます。


企業によって必要なものは異なりますが、福利厚生用スペースは、従業員の満足度に繋がり、仕事の生産性にも影響を与えるとも考えられています。プラスアルファのスペースとして、検討することをおすすめします。

6:一般執務スペース

一般執務スペースは、社員が業務を行う場所で、最も長時間滞在する場所となります。オフィスレイアウトを考えるうえでも、重要なポイントです。


一般執務スペースは、業種や仕事の内容によって必要な面積は異なりますが、一般的にはオフィススペース全体の50~60%程度が目安と考えてください。

オフィスの一人当たり面積を考える際に確認すべき寸法4つ

オフィスの通路が狭いと、業務の生産性にも影響を及ぼしますので、オフィスレイアウトを考える際に、適正な幅の通路を確保することも重要です。


オフィスのレイアウトには、通路スペース・デスク間スペース・機材配置スペースなど、推奨される基準寸法があります。ここからは、推奨される基準寸法をご紹介します。オフィスの一人当たり面積を算出する際にも参考となりますので、ぜひご覧ください。

1:壁とデスクの間

デスクの背後が壁となる場合、壁とデスクの間の基準寸法は1m50㎝程度とされています。この値はあくまでも基準ですので、後ろを人がよく通る場合や、頻繁に席を立つ場合は、1m80㎝程度あったほうがよいでしょう。


反対に、重要情報を取り扱う重役や管理者席と壁の間は、1m20㎝程度の狭いスペースのほうがよいこともあります。

2:キャビネットとデスクの間

キャビネットとデスクの間は、デスクに座る社員のスペース、人が通るスペース、キャビネットの扉を開けるスペースが必要です。これらを合わせると、キャビネットとデスクの間には1m20㎝程度あることが望ましいとされています。

3:デスクとデスクの間

デスクとデスクの間のスペースは、椅子を出し入れするスペースと、間を人が通るスペースの両方を考慮する必要があります。


デスクに座って作業する人のスペースは60㎝程度ですが、椅子を前後するために15㎝を加え75㎝程度で、背中合わせとなる場合は2倍の1m50㎝が必要スペースとなります。加えて、人が通るスペースとして余裕が必要ですので、1m80㎝程度は距離をとったほうがよいでしょう。

4:コピー機の周辺

コピー機の周辺は、コピーを取る人のスペースと、後ろを通る通路スペースとして、1m10㎝程度必要です。


コピーは、デスク作業と比べると、屈んだり、腕を動かしたりするなど大きなアクションをとることが想定されるため、デスク周りのスペースより広めに確保することをおすすめします。

オフィスの一人当たり面積を確保するための工夫3つ

オフィスのレイアウトから、一人当たり面積を算出できても、コスト面で必要面積の確保が難しいこともあります。そんな時には、オフィスに配置するものを見直したり、働き方自体を見直したりすることで、理想的な一人当たり面積を確保できることもあります。


オフィスの一人当たり面積を確保するための3つの工夫をご紹介します。

1:ペーパーレス化

書類のやり取りで行っている仕事を、データのやり取りで行うよう業務フローを見直したり、保管している紙の書類をPDFなどにデータ化したりして、ペーパーレス化を進めることで、収納スペースを削減できます。


書庫などの収納スペースを削減できれば、執務スペースに割り当てられるので、一人当たり面積の確保に繋がるのです。

2:オフィス家具を変える

一般的なオフィスのデスクの奥行は70㎝程度のものが多いですが、ノートパソコンであれば60㎝程度の奥行でも十分です。また、デスクを個人に割り当てないフリーアドレスにすれば、デスクに置く荷物も減るためサイズを小さくできます。


デスクの奥行や幅を見直すことで、一人当たりの必要スペース自体が小さくなり、一人当たり必要スペースの確保が可能となります。

3:オフィスに出社する人数を減らす

テレワークの推進により、オフィスに出社する人数自体を減らし、オフィスの一人当たり面積を削減する方法もあります。


富士通では、国内グループの社員約8万人を対象に、勤務形態を基本テレワークとし、フレックス勤務制度やフリーアドレス制を導入することで、3年間でオフィス床面積を50%削減する計画を導入しています。

適正なオフィスの一人当たり面積を確保しよう

オフィスの一人当たり面積は、企業規模や事業内容によって異なりますが、4坪程度が一般的です。また、テレワークやフリーアドレスの導入で、一人当たり面積を1~2坪程度に削減することも可能です。


社員が働きやすいオフィスは、生産性の向上にも繋がりますので、コストとのバランスを取りながら、自社にとって必要なオフィススペースを確保するようにしてください。

監修

執筆者
束原 悠吾(Yugo Tsukahara)
経歴
上智大学法学部卒業後、三菱地所に入社し経理部で連結決算やM&Aを担当。その後Rockefeller Groupに出向し、米国でオフィスや物流施設をはじめとした不動産投資に従事。 estieではコーポレート業務とビジネスサイドのセールスやマーケティングを兼務。 趣味は家探しで、物件情報を見るのが好き。
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