浜松町・田町のオフィス事情

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  • 2020/02/18

東京湾を臨む二大オフィス街である浜松町・田町エリア。どちらのエリアからも空港に電車一本でアクセスが可能であり、新幹線が発着する東京駅と品川駅にも数駅圏内でアクセスが可能であるという、文字通り最強の交通アクセスの利便性を兼ね備えるビジネスエリアです。また近年ではオリンピックを前に、山手線新駅開業や大規模再開発を控えている東京都内のオフィス街屈指のホットスポットでもあります。

今回のコラムではそんな注目の2つのエリアの実態に迫っていきたいと思います。

浜松町の特徴、歴史

実はオフィスだけではない浜松町の特徴

始めに浜松町について見ていきます。浜松町は駅に隣接する世界貿易センタービルディングをはじめとして数多くのビルが立ち並ぶオフィス街のイメージが非常に強いと思います。しかし、一方では浜松町駅から徒歩圏内には増上寺、芝公園や東京タワーがあり、またガード下を潜り東京湾方面に出るとすぐに旧芝離宮恩賜庭園があります。このようにオフィス以外にも行楽地がいくつかあり、また商業施設も少なくないため居住地域としても優れた土地であるのが浜松町の特徴です。

「浜松町の浜松」は「静岡の浜松」?浜松町の歴史

浜松町の名前を聞いて、静岡県浜松市を連想する方も多いのではないでしょうか。実際に町の名前の由来は浜松市にあるのです。現在の浜松町エリアは江戸幕府の城下町として栄えた地域でした。16世紀の終わりには前述した増上寺もこの地に移転し、その後は大名屋敷が立ち並ぶようになりました。当時浜松町エリアは増上寺の代官であった奥住久右衛門が名主を務めていたことから久右衛門町と呼ばれていました。17世紀の終わり頃、浜松出身の権兵衛という人物に名主が交代したことで町の名前が芝浜松町に変更されたことが、現在の町名のルーツになっています。

また、現在の浜松町一丁目に当たる場所は19世紀中頃には福沢諭吉の福沢塾が慶應義塾と命名された地であります。故に浜松町は慶應義塾発祥の地とも言われることもあります。

浜松町の再開発について

西側の再開発

浜松町西側におけるランドマークである世界貿易センタービルを含むおよそ3.2ヘクタールが浜松町二丁目4地区という呼称がつけられています。またその地区は特定都市再生緊急整備地域「東京都心・臨海地域」における都市再生特別地区に指定されており、非常に大規模な再開発が進められています。この都市再生特別地区というのは、都市再生特別措置法で定められた地区のことです。該当する地区にもともと設けられていた高さ、用途や容積率などの規制を除外することが可能で、より自由度の高い再開発が可能となっています。

昨年1月には世界貿易センタービルの西側には「日本生命浜松町クレアタワー」が開業しました。地上29階地下3階でオフィスの他に商業施設やカンファレンスも完備されている複合施設となっています。オフィスフロアにはオリックスのグループ会社や資生堂の関連会社などの著名な企業が入居しています。世界貿易センタービルも再開発の一環として建替えが予定されています。これは国内における過去、最も高いビルの解体を含む再開発事業でもあります。建替え後は約200メートルの高層ビルが誕生する予定で、駅舎にも手が加えられるようです。区画としては浜松町二丁目の中でも世界貿易センタービルの本館南館を含む浜松町駅に隣接したA街区と呼ばれる箇所で、2027年に全ての工事が完了する見込みです。

浜松町東側の再開発

浜松町の再開発は世界貿易センタービルというランドマークの建替えで西口に注目がいきがちですが、実は東口も再開発計画が目白押しです。竹芝エリアとも呼ばれる浜松町東側のエリアは高度利用されていないまとまった土地が残されており、その地域が再開発の対象となったわけです。再開発は旧芝離宮恩賜庭園を取り囲むように行われています。

竹芝方面の再開発

竹芝駅に近い場所では東京ポートシティ竹芝とウォーターズ竹芝の二つの複合施設のが建設されています。東京ポートシティ竹芝はメインのオフィスタワーとレジデンスタワーの二棟から成っており、オフィスタワーは約208メートルの超高層ビルである他、ソフトバンクがメインテナントとして入居することを予定しています。

また、WeWorkJapan合同会社の入居、会員制のシェアオフィス「ビジネスエアポート竹芝」の入居も注目ポイントです。ウォーターズ竹芝もタワー棟と劇場棟の2棟構成となっています。オフィスや商業施設はもちろんのことながら、ラグジュアリーホテルである「メズム東京」や劇団四季の劇場まで入居が予定されています。東京ポートシティ竹芝とウォーターズ竹芝のどちらとも2020年の開業ということで楽しみですね。

芝浦方面の再開発

浜松町から多少距離はありますが、東側の再開発として最大のものが芝浦エリアにて行われています。それが芝浦一丁目計画です。区画面積4.7ヘクタールにも及ぶ大規模な再開発計画です。水辺の国際ビジネス・観光拠点を謳っており、オフィス、商業施設、ホテル、住宅の他にビジネスの交流拠点や観光情報センターや子育て支援施設の併設も予定されています。芝浦運河を用いた親水空間にも力を入れている等、興味深い内容をいくつも含む再開発事業と言えるでしょう。2020年度に着工、2029年度に竣工の予定です。

田町の特徴、歴史

サラリーマンの街、田町

田町といえば、浜松町や新橋と同様古くからのオフィス街で街のいたるところにオフィスが入居している雑居ビル、そこで働く人々をもてなす居酒屋が多く軒を連ねています。一方ではバブル時代に一斉を風靡した伝説のディスコ「ジュリアナ東京」があった地であったという意外な一面もあります。田町駅の西側にはそんなオフィスの中でも日本電気株式会社の本社ビルは一際目立つ田町のランドマーク的存在です。低層階の床面積が広く、中層階から狭くなる特徴的なレイアウトはロケットをモチーフに作られたそうです。ちなみに名前はNECスーパータワーという呼称がつけられています。また、田町は慶應大学の三田キャンパスの所在地でも有名です。

田町は廃止された街?田町エリアの歴史

今回のコラムでは田町のオフィス事情と銘打ってまとめていますが、田町という町名は現存していません。正確にいうと田町駅周辺のエリアを通称田町と呼んでいるということなのです。かつての田町は現在の町名でいう芝5丁目、三田3丁目、芝浦3・4丁目にあたります。 田町は伊皿子貝塚という遺跡が出土した場所でもあり、古代や中世の住居跡も発見されていることから住みよい土地であったとも考えられています。また、田町は江戸の正面玄関であったという歴史も持っています。田町駅の西口を出て、第一京浜を品川方面に向かうと札の辻という交差点がありますが、ここには江戸初期に芝口門が建てられ、江戸の南端の玄関口として活用されていたそうです。さらに、先ほど言及した第一京浜は旧東海道の場所に作られたものであり、つまり田町は南北一直線に旧東海道が通っていた街でもあるのです。田町エリアは長い歴史の中で人々の生活に欠かせない街であったことが読み取れますね。

再開発

田町駅東口の再開発

田町駅の東側、芝浦方面には駅直結の高層ビルの建設を含む再開発が行われています。それが「田町msb(ムスブ)」です。三井不動産と三菱地所と東京ガスの三社共同で行われている再開発事業です。ムスブ田町は「msb田町 ステーションタワーN」、「msb田町 ステーションタワーS」、「プルマン東京田町」の3つの建物で構成されています。msb田町 ステーションタワーNは180メートル、地上36階、地下2階のオフィスビルであり、2020年に竣工予定です。「msb田町 ステーションタワーS」は既に開業しており、商業施設、オフィスとカンファレンスを備えた複合施設になっています。オフィスフロアにはマネーフォワード、Indeedや三菱自動車工業などの有名企業がその名を連ねています。プルマン東京田町は、ヨーロッパを中心に展開するホテルチェーンである「アコーホテルズ」のハイクラスブランドである「プルマン」を日本に初誘致した点で注目されています。

田町駅西口の再開発

田町駅西口側の最も顕著な再開発としては、田町の歴史についての項で触れた札の辻交差点付近の三田三・四丁目の再開発が挙げられます。建設予定のビルの高さは215メートルで田町エリアでは最大であり、新たなランドマークになること間違いなしです。詳しい内容はまだ未公開ですが、2024年には全面的な完成が予定されています。こちらもオフィス、商業施設や住宅が一挙に集まる複合施設になる模様です。

おわりに

浜松町・田町エリアはそのアクセスや立地の良さが注目され、新たな臨海都市として生まれ変わろうとしています。また、品川と田町の間に新駅である高輪ゲートウェイが開業することも手伝ってさらに再開発が進むことが見込まれます。今後も都内屈指の注目再開発エリアとしてその動向に目が離せませんね。

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