五反田のオフィス事情

  • エリア別のオフィス事情
  • 品川区
  • 2019/11/20

束原 悠吾(Yugo Tsukahara)

ITベンチャーの新メッカ? 五反田エリアにITベンチャーが集まる理由

近年渋谷に合わせ、多くのITベンチャー企業が集まる地域として注目されているのが五反田エリアです。2018年7月には五反田に本社を構えるITベンチャー企業6社によって「五反田バレー」という一般財団法人が設立され、品川区との連携協定を結んでいます。

そんなITベンチャーのオフィス街の代名詞となりつつある五反田の特徴を紹介していきます。

五反田の特徴

賃料の安さ


ベンチャー企業に人気のある渋谷や六本木のオフィスは空室が減少しており、賃料が上昇傾向にあります。対して五反田エリアのオフィスは、人気エリアのオフィス賃料に比べ、半額ほどに抑えられるケースも少なくないです。

固定費を最小限に抑え、事業や人材登用により多くの投資を行いたいと考えるベンチャー企業の需要にマッチしているエリアであると言えるでしょう。


アクセスの良さ


山手線、都営浅草線と東急池上線の三路線が乗り入れをしています。東海道新幹線の発着駅である品川駅まで二駅、羽田空港と成田空港にも乗り換えなしで行くことができます。

このようにビジネスを行う上で重要な交通利便性においても死角なしと言って差し支えないでしょう。


職場と住居が近い


渋谷や六本木のような人気スポットにオフィスを構えると、オフィスに近いところでは住みやすい価格の住居を探すのは非常に難しいことは容易に想像できます。五反田エリアであればオフィスに近い場所でも、よりリーズナブルな価格で借りることができます。また五反田に限らず、東急池上線沿いであればより低い家賃水準の物件を見つけやすいでしょう。

まさに職住隣接が叶う場所が五反田なのです。

五反田で働く人から聞こえてくる課題

街のイメージ


五反田というと風俗街や夜の街などのイメージを持たれることもあります。これには五反田は戦後の闇市から街が形成されていった歴史が影響を与えているのではないかと言われています。渋谷や新宿も同じようなルーツを持っていますが、大規模な区画整理が行われターミナル駅として発展していったため新たなイメージに更新されています。対して五反田は街の規模が小さかったため、大規模開発はなかなかされず、独自の路線で街が形成されていった点で異なります。とはいえ、この先ITベンチャーがより多く流入していけば、このようなイメージが払拭されるのも時間の問題かもしれません。

商業施設の少なさ


五反田には大規模な商業施設がほとんどありません。スーパーなど生活に最低限必要なタイプのお店は揃っているのですが、ホームセンターや家電量販店がないため、一つの街で完結しない点で不便に感じる場面もあるかもしれません。

代表的な会社


freee

小企業や個人事業主の業務効率化を支援する会計や人事のSaaS型クラウドサービスを開発・提供するフィンテック企業です。

zeals

「ネットにおもてなし革命を!」のキャッチフレーズのもとに、AI技術を駆使したチャットボットサービスを展開しています。

ジモティー

地域広告掲載サイト「ジモティー」を運営している会社です。個人間のものの売買やイベント情報などの目的での募集広告および告知が無料でできるサイトであり、クラシファイドサイトと呼ばれるビジネスモデルを展開しています。

五反田の街としての歴史

五反田はもともと鉱泉が発見されてからは花街として栄えてきた街でした。関東大震災後には渋谷や品川から人が流入し街が形成されていきました。戦後には「連鎖市場」と呼ばれる闇市も栄えました。この繁華街と闇市の両者が五反田の基礎となったのだと推測できます。さらに大崎に工場が多く立ち並ぶようになってからブルーワーカーの憩いの場所として風俗街としても発展していき、前述したような現在の五反田のイメージが出来上がっていったのだと考えられます。このような歴史を経て今ではITスタートアップの受け皿として新たなフェイズを迎えています。

今後の動向

近年、渋谷の再開発が急速に進んでおり、かつて渋谷にオフィスを構えていた大手企業の回帰の動きが見られます。その代表格としてGoogleが挙げられるでしょう。さらにオフィスの賃料も場所によっては六本木と遜色ない水準まで上昇していると言われています。この影響を受け、ベンチャー企業の渋谷離れが進み、その受け皿として五反田が重要なポジションを担う日はそう遠くないでしょう。五反田がかつての渋谷の「ビットバレー」ブーム時のような局面を迎える可能性は大いにあり得ると言えそうです。

しかし、多くのオフィスは比較的小さな雑居ビルが多く、成長すると出て行ってしまう企業も多いと予想されます。大規模な再開発がなされない限りは、新興のベンチャー企業を育て送り出す役割を持つ街という色が強くなり、その点では渋谷とはまた異なった特徴を持つことになるかもしれません。

監修

執筆者
束原 悠吾(Yugo Tsukahara)
経歴
上智大学法学部卒業後、三菱地所に入社し経理部で連結決算やM&Aを担当。その後Rockefeller Groupに出向し、米国でオフィスや物流施設をはじめとした不動産投資に従事。 estieではコーポレート業務とビジネスサイドのセールスやマーケティングを兼務。 趣味は家探しで、物件情報を見るのが好き。

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