会社を選ぶとき、事業の面白さ、技術的な難しさ、一緒に働く人、成長できる環境、そして待遇。その全部を大事にしたいと思うのは、少しわがままでしょうか。
estie は、それをわがままだとは思っていません。むしろ、「産業の真価を、さらに拓く。」というPurposeの実現のためには、「どれか一つを選ぶ」だけでは足りないと考えています。
だから estie は、自分たちのことを「よくばりな会社」と呼んでいます。
こんにちは、estie 取締役CTO の Nari (@tiwanari) です。この「よくばりな会社」という言葉は、estieの会社紹介でいつも使っているスライドにも出てきます。ただ、言葉だけを見ると何のことか伝わりにくいので、なぜ estie が自分たちを「よくばり」と呼ぶのか、自分の言葉で書いてみます。

estie にとっての「よくばり」とは何か
「よくばり」という言葉は、何でも求めるフォーカスのない会社のようにも聞こえます。estie にとっての「よくばり」は違います。二択に見える問いを、二択のまま終わらせないことです。
事業価値か、社会的意義か。作るのはデータベースか、ソフトウェアか、取引の場か。技術を極めるか、事業に踏み込むか。estie はできるだけ、その「か」を「も」に変えようとしています。
向き合う課題も、一緒に働く仲間も、自分の成長も、そして待遇も、最後まであきらめない。これが「よくばり」の中身です。同じ考え方は、以前のブログ記事 「品質の斧と速度の斧」でも語られていました。
「そんなの無理だ」と思うでしょうか。自分は、これは理想論ではなく、estie が向き合っている産業の必然だと思っています。本気で向き合うと、自然とそうなってしまうのです。会社紹介スライドの3つのブロックが、ちょうどその理由になっています。順番に見ていきます。
不動産は巨大で複雑。だから技術で解く余地が大きい
「不動産」と聞くと、少しアナログな印象を持つ人もいるかもしれません。でも自分は、そこにこそ技術者にとっての面白さがあると思っています。
不動産は、日本でも有数の巨大な産業です。商業用不動産だけでも資産規模は315兆円とも言われ、日々の生活で関わっていない人はいません。それなのに、情報は分散していて、業務は複雑で、意思決定に必要なデータが流通しきっていない。たとえば、市場全体の空室率のような統計はあっても、隣のビルがいま空いているのか、いくらで貸し出されているのか、といった身近な情報さえ、簡単には手に入りません。
estie は「どれか一つの業務を効率化する」では終わりません。あらゆる業務の積み重ねによって導かれる、この土地が、この建物が、どう使われればこの街にとって、国にとって良いのか。ここに何を建てたら、いくらの価値になるのか。突き詰めていくと、人の意思決定や企業の活動、そして「まちづくり」に発展し、日本経済そのものを良くしていく挑戦です。だから我々はよくばりに「全部、やる。」という覚悟を持ってこの業界に向き合っています。

でも、「estieがどれだけできているのか?」といえば、上図のように数多ある業務のうちの1割にも満たない。
データベースも、ソフトウェアも、取引の場もつくる理由
「estieができていることはなぜ不動産業務の1割にも満たないのか?」について考えてみましょう。
不動産の意思決定には信頼できるデータが欠かせません。ここにいくらの価値があるのか、この取引は妥当なのか。その判断は、良いデータがあって初めてできます。ところが、不動産業界ではそのデータは簡単には手に入りません。だから estie は、活用可能なデータベースを自分たちで数年かけてつくってきました。
そのデータを基盤にソフトウェアやAIを構築し、取引が生まれる接点までつなげていく。データベースも、ソフトウェアも、取引の場も、必要なものは自分たちで全部つくる。これが「よくばり」の一番わかりやすい形です。
不動産における「独自データ × AI」という言い方をよくしますが、産業の意思決定に必要なデータベースをつくってきたからこそ、AI でできる選択肢が大きく広がっているわけで、いろんなことに取り組みたいよくばりな人にとって機会が溢れる場となっています。
「全部つくる」は、フォーカスしないことではない
ここまで読んで、「それは選択と集中ができていないだけでは?」という声も聞こえてきそうです。
しかし、「全部つくる」は必然なのです。不動産の意思決定に必要なデータ、業務を動かすソフトウェア、取引が生まれる接点。これらが分断されたままだと、産業で働く人の体験は変わりきりません。だから、必要なものを全て自分たちの手でつくっています。
事業を考えるほど、優先順位をつけたくなります。「フォーカスを絞ろう」「あれもこれもは無理だ」と。それが必要な場面はもちろんあります。ただ会社としては、「A か B か」と問われたときに、「A も B も取る方法はないか」をしつこく考え続けたい。二択に見える問いを、二択にしないやり方を探す。
estie がいくつものプロダクトを同時につくっているのは、この産業に本気で向き合えば、そうならざるを得ないからです。
それを実現するために、強い人が役割をはみ出していく
「強い人たちがいないと成立しないのでは?」と思われたでしょうか?その通りです。
この巨大産業でそれだけ大きなスコープを限られた人数でつくりきるには、一人ひとりが高い専門性を持ち、レバレッジの効く動き方をするしかありません。裏を返すと、この事業は、技術で事業を前に進められる人がいないと成立しない構造になっています。だから estie には、専門性を持った人が集まり、かつ軸足を持ちながらも役割をはみ出していきます。
estie の面白さは、強さの種類がいくつもあることです。
- Staff Engineer として、プロダクト横断の技術基盤を見る人がいる。
- 事業部CTO として、事業戦略と技術戦略を同時に考える人がいる。
- デザインも、フロントエンドも、バックエンドも、AI 活用もまたぎながら、ユーザー体験をつくる人がいる。
技術を突き詰めたい人も、組織をつくりたい人も、事業に深く入り込みたい人も、それぞれが自分の専門性を軸にしながら、必要なら隣の領域まで踏み出しています。IC とマネジメントの両方で上限なくキャリアを描けるのも、この会社らしいところです。ここでも「か」より「も」です。
(自分も、取締役CTOをやりながら社会人博士課程で AI の研究をしています。経営も、研究も、です。)
ひとつ補足しておくと、これは「何でも屋になってください」という意味ではありません。自分の専門性を軸に置いたうえで、必要なら隣まで踏み出せる。①プロとして専門性を発揮してやり切ることと、②より大きな目的のためにはみ出すことを本気で両立する会社でありたい、ということです。
待遇や環境の面でも考え方は同じです。Indeed から estie に来たスタッフエンジニアの @kenkoooo は、入社エントリで「最低賃金1000万の会社にするのがどのくらい大変なのか、全力でチャレンジします」と宣言しています。それくらい事業を伸ばす、という挑戦とセットの宣言で、これが公式ブログに載っているのが estie という会社です。登壇や研究、技術発信を後押しする文化も、AI 活用や技術投資への積極性も、同じ発想から来ています。そんな「よくばり」な環境を求めて、強い仲間が次々と加わってくれています。
楽ではない。でも、だから面白い
楽な環境だとは思っていません。産業は複雑で、データは扱いづらく、正解が見えない問いも多い。これまでの経験よりも広い役割を求められる場面もあります。でも、そういう難しさを面白がれる人にとっては、大きな余白がいくらでも残っている会社です。まだやりたいことの1割もできていません。
冒頭の会社紹介スライドの締めの一言は、「巨大で、複雑。だから面白い。」です。簡単な選択肢に逃げず、難しい課題に向き合って、向き合い続けて、本当に価値のあるものを届ける。その先にしか、最初に挙げた「事業も、課題も、仲間も、成長も、待遇も」というよくばりな願いは手に入らないと思っています。課題は難しくないと面白くないですよね。
estie が「よくばりな会社」というのは、こういうことです。
よくばりに働きたい人へ
estie は「産業の真価を、さらに拓く。」というパーパスのもと、不動産産業の DX に取り組んでいます。
「A か B か」で悩むより、その全部をよくばりに取りにいきたい。少しでも「この難しさは面白そう」と思った方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。