AI時代、ブランドはUIから連鎖する — デザインエンジニアがブランディングを担う理由



株式会社estie(エスティ)のデザインエンジニアkkaruです。
プロダクトデザインを起点に、事業を伸ばすには?
昨夏からCTOやVPと意見を交わしてきました。
このたび社内の "ブランド室" へ異動し、私たちなりの答えに向かって挑戦します。

ブランド室はもともと以下を担っていました。
会社のアウターブランディング(採用クリエイティブ、カンファレンス装飾など)
組織のインナーブランディング(Purpose・Valuesの表現)
2026年7月、ここにプロダクトデザイン領域が加わります。

データはすでに選ばれる理由になっている

前提として、estieは商業用不動産のデータに向き合っている会社です。
その課題を一つひとつ紐解きながら、手段を問わず前進しています。
不動産業務に関わるあらゆるデータを、量・質・種類・流通・基盤・組織といった方向で積み上げてきました。

だからこそ、データの厚みは間違いなく私たちの強みです。
ユーザーの皆さまがestieを選ぶ理由のひとつとして、すでに機能しています。


UIがデータをブランドに変える

ではデータそのものが、選ばれる理由 = ブランド・エクイティとして完全でしょうか?
そうではありません。
データは、ユーザーに解釈されてはじめて価値を発揮する。
私はデザインの役割をこの1点で捉えています。

デービッド・A・アーカーは『ブランド・エクイティ戦略』で、下記のように説明しています。
ブランド:商品やサービスを識別し、競合と区別する名前やシンボル
ブランド・エクイティ:ブランド名やシンボルに結びつき、企業や顧客への価値を増減させる資産・負債の集合


たとえばどれだけ良質なデータを揃えても、ユーザーのなかで意味に変換されなければ、それは記号の羅列にすぎません。
物件の “空き” を示すデータが「だから〇〇さんに提案しよう」といった判断に変わる。
UIはその変換を助ける場所と言えます。

つまりプロダクトデザインの役目のひとつは、ユーザーとデータの関係を設計することです。
私はこれを全社規模で捉え、ブランドを構築するミッションを担います。

AI時代のブランドはUIからほころぶ

2026年2月、とある社内イベントを開催しました。
これをきっかけに、ドメインエキスパートが単独でプロダクトを立ち上げる事例が生まれています。
事業の試行回数が増えたことやその心理的ハードルが下がったことは間違いなく良い変化です。

www.estie.jp

一方、むやみにAI依存の試行を増やすと、ユーザーとデータの関係におけるリスクは当然高まります。
生成されたUIのそれぞれが問題なく動いたとしても、プロダクト間・機能間で動き方が違えば、ユーザーが積み上げてきたメンタルモデルを壊してしまうからです。

逆に言うと「ひとつを使ったことがあれば、別のプロダクトも同じ感覚で使える」ことの価値は増したのかもしれません。


そこで私はデザインプロセスを開く取り組みを進めています。
仮説検証のスピードを落とさず、同じ設計思想に基づいてプロダクトを展開していくためです。

データの生まれ方からデザインする

デザインの可能性は、ユーザーが直接触れるプロダクトだけに留まりません。
たとえば昨年に取り組んだ内部のUI改善では、データセット1件あたりのオペレーションコストを圧縮できました。

また不動産は、街を行き交う人びと(の行動)とも接点を見いだせます。
これまでは網羅・更新などがむずかしかったデータを、一人ひとりの小さな力で集められるよう設計する。 いわばデータソースの構築がデザインの対象になり得ます。

データがどう生まれ、どう意味を持ち、判断にどうつながるのか?
事業の可能性そのものに関わるテーマです。

ブランドは、選ばれる理由の連鎖

私はこれまでにUIの意匠権を4件取得しました。
もちろん、それだけでestieと識別されるわけではありません。
でもドメイン知識を具現化し、法的資産に変えたことで、複数プロダクトに渡って継続的に効果が発揮されます。

意匠権の一例

このように、ブランディングのアプローチはさまざまです。
新しいプロダクトや機能をつくり出すとき、どうしたらさらに期待していただけるか?
ブランド室にデザインエンジニアが加わる理由はそうした連鎖の発想・実装にあります。

私たちにご興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

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