【プロフィール】須山 一成(すやま かずなり)
大学卒業後、フードサービス業および、半導体製造装置メーカーでの人事業務を経て、2013年にリクルート(当時、(株)リクルート住まいカンパニー)の人事部門に入社。HRBP、人事企画、労務、新卒/中途採用、ピープルアナリティクス、人材/組織開発のマネジャー(課長職)を担当し、2019年に人事部長として着任。
リクルートの会社統合後は、販促SaaS事業のHRBP部長、および、全社の人材組織開発部門の部長も兼務。2022年8月にestieに参画し、HR部門を担当。
これまでのキャリア
はじめまして!22年8月に入社しHRを担当している須山と申します。まずは自己紹介を兼ねて、これまでの経歴を簡単に、お話いたします。
元々、飲食で独立しようと思っていたので、新卒はフードサービスの会社に入り、会社の新規事業(新業態開発)を担当していました。新業態開発を通じて様々な経験をしました。中でも一番の経験は、新規業態がうまくいかず店舗閉店し、従業員に閉店告知した経験です(社会人人生で最初で最後に?泣きました)。小さい範囲ですが、事業が持つ社会的責任、加えて組織はトップ以上の器にはならないという学習を自分なりに強烈に体験したことがあります。
紆余曲折の末、また新規業態をチャレンジすることになり、立ち上げから2年弱で、直営数店舗で年間売上10億、利益1億が出るまでに成長。その実績を起点に、フランチャイズ開発をやろう!となり、フランチャイズ加盟店の店長研修を私が担当していました。そんな最中、突然「須山君、人事に異動して!」といわれ、「え!うそ!これからだよ!!くぅ…!僕を抜くなんて知りませんよ!笑」と思ったところから、はからずも人事のキャリアがスタートしました。(この出来事をきっかけに、キャリアはプランドハップンスタンスセオリー派になりました)
1社目 スタートアップで突然人事キャリアがスタート。戦略と人事制度の連動を体感
人事異動した後は、労務、人事企画、新卒/中途採用、人材/組織開発、などの業務を人事部長として幅広に管掌していました。特に時間をかけたのは、人事制度変更および会社values(行動指針)のアップデートです。
自身の現場経験から、会社業績の軸となるコンセプトは、サービスプロフィットチェーンの強化である、と思っていました。このコンセプトに合わせて、会社のvaluesを再整理。また、人事制度も、このコンセプトが入るように、コンピテンシー定義やそれを評価できる仕組み、また育成システムを設計しました。
最近もよくバズワードのように「戦略人事」という言葉を耳にしますが、当時は現場感をベースとして感覚的に、事業成果(purpose実現)⇔人事システムを連動させよう~と、戦略人事っぽいことをずいぶん粗削りですが、やろうとしていたように記憶しています。制度検討が一区切りしたところで、今後のキャリアを立ち止まって考え、その結果、当初の目標だった独立ではなく、人事キャリアを探求する選択をし、他社へ転職をすることにしました。
2社目 メーカーで伝統的な労務管理を通じて人事観が発芽した
2社目は、半導体製造装置メーカー(当時売上1000億、社員数3000人程度)に転職。泣く子も黙る賃金の専門家の楠田丘さんと一緒に働いたことがある人事部長がいて、その方から人事の基礎(主に歴史と思想)を多く学びました。業務は、主に人事企画・労務を担当。
毎月のように経営会議で制度変更の案件を起案をしていました。3年間しか在籍してませんでしたが、ハイライトは「Great Place to Work」の調査をベースに消耗品製造を担当されていた契約社員の方の人事制度変更です。働きがいとはなにか?これを人事制度で構造的に解決できないか?を考えるきっかけになりました。非常にタフな仕事でしたが学び多い案件でした。この件がひと区切りしたところで、制度以外の知見を深めようと思い、リクルート(当時、住まいカンパニー)に転職しました。
3社目 リクルートで「個をあるがままに生かす」を体感し人事観が磨かれた
3社目は、最初にHRBPとして複数事業部門を担当。事業成長を主語にして多くの人事施策運営を実施しました。そこから、新卒/中途採用・人材/組織開発・ピープルアナリティクスなどをマネジャー(課長職)として担当したのちに、人事責任者(=部長)に着任しました。
着任後すぐに、改めて事業の非連続成長を主語に、どういう人事戦略を設計しようかな~と妄想し始めました。が、そんな矢先「リクルート、事業会社経営やめるってよ」という話を聞き、「え!うそ!これからだよ!!くぅ…!」と思ったのを記憶しています(この出来事をきっかけに、キャリアはプランドハップンスタンスセオリー狂になりました)。
そこから退職するまでの数年間は会社統合の業務に没頭。地方分権で経営してきた事業運営を合併・統合するのは一筋縄ではいきません、笑。非常にタフな仕事でしたが、これらの取り組みを通じて、なぜリクルートが時価総額10兆を超える企業になったのか?について人事的な視点でものすごい学びがありました。(長くなるので内容は割愛します、笑)
なぜestieなのか
自分語りが長くなってすみません。もう間もなく終わるのでもうしばらくお付き合いください。笑。
突然ですが、ジブリ作品の「魔女の宅急便」はご存じでしょうか?主人公のキキが親元を離れ、知らない町で魔女として一人立ちする姿を描いているアニメです。(ここからネタバレ注意)物語の中でキキは突然ホウキで飛べなくなります。そこから改めて飛ぶという行為を自分のものにしていくというプロセスを踏んで、また飛べるようになります。
リクルートは非常に好きな会社でした。思想も事業も人・組織も、加えて報酬・処遇も申し分ありませんでした。仕事も面白く、すいすい”飛び回って”いました。が、会社統合を迎え仕事に区切りがつきそうなタイミングから、気持ちとして、うまく”飛べなく”なっていました。目の前のコトに没頭することを得意としてきたはずなのに上手にできません…。やり切った感があったのだと思います。
『働く』ということをもう一度自分のものにしていく必要を感じ、ワークエンゲージメントを取り戻すべく、制約なく模索するため、他社を見始めました。自分にとっての働くとは?の意義・意味の探求でした。
そんな中、エージェントさんを通じて「estie」と出会いました。話をする中で魅力に思ったのは、以下4つです
①事業が魅力的に見えた。
estieが向き合っている業界は、もっとよくできるチャンスを秘めているが、まだ日本に明確なソリューションがない。ただ、世界にはソリューションがあり、いずれ誰かが解決するだろう。その中でestieは業界に寄り添いながら、一つの答えを持ち始めている(まだ種だが)。という状況が、非常に魅力的に映り、直感的にワクワクしました。
②フェーズがちょうどよかった。
estieはシリーズAの調達をしている段階であり、社員数も60名弱。ただ、この規模ながら、人事システムや思想にかなりしっかりした構造躯体はありました。この規模でここまで考えているのか、と、驚きましたが、他方で今後の事業成長を考えると、まだまだ広大・膨大な検討余白を感じました。直感的にワクワクしました。
③経営陣との相性がよさそう。
よさそうと言っているあたり、怪しさはありますが、笑。長年培ってきた動物的直感でそれを感じました。経営陣との会話を通じた印象は、当意即妙であり怜悧だがスタンスはフラット、一方事業への覚悟があり内面が激熱。終話したときに余韻が残りました。自分にとっては心地の良い余韻でした。直感的に相性の良さを感じました。
④役に立ちたいなと思えた。
①②③の状況から、高鳴る気持ちを抑えるために、一瞬だけ「とはいえ、経営陣や社員も優秀で、事業もイケてそうだし、自分じゃなくてもいいかな?」と、自分へ問いかけましたが、組織の同僚となる方からそれを見越してか、「と、言い出す人がいるのですが、そんなことないんです!やることめちゃくちゃあります!それで辞退しないで!」と、見透かされたかのように伝えられました。笑。それを受け、「あ、そうか、じゃー力になろう」と、素直に思いなおし、ここにしようと決めました。
順序だてて説明しましたが、本音を言えば、最後は直感です。「なんで?」というより、「そうしたかったから」という説明が正直一番しっくりきています。筆舌には尽くせない『衝動』が、内面から沸き起こっている自分を感じていました。
選考を受けていた他社さんも素敵な会社ばかりで、経済条件もよく実際は悩みましたが、自分にとっての働くとは、”湧き上がる『衝動』を堪能できることだ”、という整理に改めてたどりつき、estieにお世話になることを決めました。自分にとっての”飛ぶ理由”が整理できたことで、仕事への意義・意味の探求は区切りを迎えました。今は気持ちが爆上がりしています。
今後どうしていきたいのか
入社して、あっという間に3か月が経とうとしています。入社して思うのは、やはり直感は正しかったな、ということです。組織にいるみなさんは、素敵な方ばかりです。事業に対して、それぞれが意思をもってリーダーシップを発揮して、また、相互に協働しながら、スピーディーに未来を切り開こうとしています。すごいです。
スタートアップはそんな会社ばかりなんでしょうか。スタートアップ音痴なので、相対比較はできませんが、絶対値として誇れる組織だなと思います。そんな皆さんと事業を、HRという切り口から力になるべく、HR部門の短期~中長期でやりたいことのロードマップを(勝手に、妄想的に)ひきはじめています。
我々はマルチプロダクト戦略を掲げ経営をしています。つまり、連続的に(+スピーディーに)新しい価値を市場に提供することを意味しています。
それらすべての起点は、個人です。個人から事業が始まると思います。ただ、個人だけではあっと驚く品質やスピードで到達する打率は低くなります。なので、チームで創発することは欠かせません。この個人とチームを徹底的に人事的に探究することが、事業戦略の実行度を高め、purpose実現を起こすものと考えています。
まず個人が価値創造に向き合う上でヒントとなる考え方で好きなのが、ジョン・デューイさんの「創造的衝動」という概念です。
内的な「衝動」に突き動かされるようにして外部環境を「観察」し、過去の経験から得た「知識」の探索を経て、対象が何かを「判断」する。そうして得られた結果が、また新たな衝動を生起する。デューイは後年、デイビッド・コルブによってまとめられた下記の図のようなプロセスを経て、人は学び、成長しながら、意味のある目的の達成に向けて邁進していくことを、理想的な学習プロセスとして考えていました。
私がチャレンジしたいなと思っているのは、個人の「衝動」をいかに大切にできるかという点です。詳しくは割愛しますが、そのうえで大事なキーワードは「強みを生かす」だと思っています。
加えて、チームの創発を生み出す上でヒントとなる考え方は、「強みを生かしあう」文化・システムづくりだと思っています。そのためには徹底した相互理解・信頼の構築が必要と考えます。
衝動に突き動かされたハイプロフェッショナルな個人が集まり、相互に背中を預けながら建設的な対話を通じて、弁証法的にチームが高次の目標に向き合い、それを絶え間なく繰り返すことで、purpose実現に近づいていく。そんな組織づくりに貢献できると最高だな、それをやりたいな、とそんな妄想(=衝動)で私は駆動しています。
最後に
宣伝です、笑
これらを実現していくために、HR担当として共感してくださる仲間を大大募集しています!
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